日常の中の無限変幻
東方変形葉31話「語られる過去、真実」
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そのとき、扉が開いた。
「永琳、手術は成功したの!?」
私は必死になって聞いた。
「一応、命の危険は去ったわ。だけど、意識を回復するかどうかがわからないわ。」
死ぬことはないと告げられて少しほっとした。
「紫、意識の境界をいじることはできる?」
一応聞いてみる。すると、紫は横に首を振った。
「人の、意識を取り戻していない人間の意識の境界をいじると、大変なことになってしまうわ。」
「そう・・・」
「とにかく、様子を見ましょう。」
そういって、入院室と思われるところに裕海は運ばれていった。
あれからもう何時間も経ち、いつの間にか朝になっていた。
入院室には、紫が呼んだ幻想郷の住民のほとんどが来ていた。
みんな、裕海に呼びかけているが、裕海はまだ目覚めなかった。
泣く者がたくさんいた。悲痛なほどの泣き声は、私たちの胸をぐっと締め付けた。
その時だった。裕海の体に変化が起きたのだ。
しかし、それは“裕海”ではなかった。
『心配するな、皆の者。この人間はいずれ意識を取り戻す。』
裕海の体から、霊とも何とも言えない“何か”が現れた。
「だ、誰だ!お兄ちゃんを傷つけたのはお前か!!」
悪魔の妹が泣きながら言った。すると、その“何か”は、すさまじい量の神力を解放した。
『いいや、違う。私はこの人間の体を借りている、変化の神だ。』
全員が驚いた。どういうことなのだろう。
『話すと長くなる。だが、お前たちには話さなければならない。』
そういって、変化の神は話をし始めた。
むかしむかし、何百億年も昔の話。あるところに一人の神がいました。
ある時、一人では退屈で、たくさんの神々を作り出しました。
ある神は、宇宙と呼ばれる空間を創りだしました。そして、たくさんの神が星などを作ります。そして、惑星を作る神がいくつもの惑星を作り出しました。
そのうちの一つの惑星を、ちょうどいいところに配置するように変化させ、その惑星の中で生物ができるように環境を整えました。
やがて、たくさんの生物ができました。ただし、その生物たちは生存競争によって“穢れ”と呼ばれる、永遠を奪い、寿命を与えるものを持つようになりました。
そこで変化の神は考えました。その惑星で最も知性のある人間を作り出し、さらに均衡が保てるように妖怪と呼ばれる、人の天敵となるものを作り出しました。
そしてある人間達の“穢れ”を無くし、“穢れ”を嫌うようにさせました。そして案の定、“穢れ”を嫌う者たちが月へと移り住み、“穢れ”のある者とない者がはっきりと別れさせました。
そして、傍観目線から世界を安定させるように見張っているのは疲れるので、あることを思いつきました。
人間の体を借り、その世界を楽しみながら世界が安定するように見張ろうと考えました。
まだ
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