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『曹徳の奮闘記』改訂版
第三十一話
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「何故じゃッ!? 麗羽姉様は何故妾らをも討とうとするのじゃッ!!」

 美羽は玉座に戻って会議を開いた第一声目がこの言葉だった。

「……この妖術と書かれた部分ですが、恐らくはロッタとクロエの三人だろうな」

「「ッ!?」」

 俺の言葉に二人は驚いた。

「二人は妖怪でも何でもないッ!! 三人は妾の部下であると共に妾の友達じゃッ!!」

 美羽はそう叫んだ。

「お嬢様………」

 七乃が感動して泣いている。

「今から麗羽姉様に妖術は誤解であると言わなければ……」

「それは無理ですよお嬢様。既に檄文は各地に放たれています」

 七乃は断言した。

「じゃがの………」

 美羽はまだ説得出来ると思っていた。

「美羽様、袁紹の説得は無理でしょう。恐らく、何か裏があるはずですから」

「裏じゃと?」

「はい。ロッタ達の技はあまり人前では披露していません。誰かが袁紹に密告でもしたのだと考えられます」

 俺は美羽に言う。

「しかし一体誰が……」

 クロエが呟く。

「一つだけ考えられる。それは……十常侍だ」

『ッ!?』

 俺の十常侍の言葉に皆が驚いた。

「じゃ、じゃが長門。十常侍は董卓によって殺されたはずじゃぞッ!!」

 零が叫ぶ。

「生き残りか……影武者がいたと考えられるぞ零」

「ぬ……確かに……」

「美羽様。我等に残された道は二つのみです。袁紹に降伏してロッタ達の首を袁紹に渡すか……董卓と手を結ぶかです」

 俺は美羽にそう言った。

「……しばらく考えさせてほしいのじゃ」

 美羽はそう言ってフラフラと玉座を出た。

「………済まない。私達のせいで……」

 クロエが顔を下に向ける。

 よく見ると、クロエの両手の拳が震えていた。

「……大丈夫やクロエ。お前達が悪くない。美羽もお前達を助けようと必死や」

「そうだぞクロエ。お主がそんな表情では私もからかえないではないか」

「せ、星ッ!!」

「ハッハッハ」

 星がクロエを茶化して笑う。

「……俺達は戦う事に決めているが、同盟の相手はどうだろうな………」

 俺はそう呟いた。





―――建業―――

「……さぁどうする雪蓮?」

「……………」

夏蓮の言葉に雪蓮は何も言わない。

「姉様ッ!! 私は袁紹につくなど反対ですッ!! 王双達が何をしたというのですかッ!!」

 雪蓮の妹である蓮華は断固反対をしていた。

「……蓮華様。感情に任せての意見は良くないです」

「冥琳ッ!! だけど……」

「袁術達の味方をしても、反乱軍として袁紹に消されます」

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