第十五話 白と黒の姉妹その七
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「ベイスターズの二軍の寮のすぐ傍にあるんだけれど」
「ベイスターズね」
「そう、今年優勝してくれねえかな」
「ちょっと無理でしょ」
「そうですよね」
ベイスターズについてはだった、朱美と伸子は素っ気無かった。二人で薊の言葉を実にあっさりと否定した。
「あれだけ巨人に弱いと」
「たまには勝ちなさいって思う位に」
「巨人には勝って欲しいのに」
「あれじゃあ横浜大洋銀行ですよね」
「・・・・・・まあベイスターズのことは置いておいてさ」
二人の素っ気ない態度に落ち込んでだ、この話題も変えることにした薊だった。それでその変えた話題はというと。
「とにかく海自さんの基地に行っても」
「いいのね」
「海自さんも」
「凄く親切だよ」
海上自衛隊の人達は、というのだ。
「丁寧でさ、腰が低くて」
「サービスしてくれるの」
「そうなんですね」
「バイキングはないけれどさ」
そこはアメリカ軍とは違うというのだ。
「アメリカ軍の方が金あるみたいでさ」
「相手は世界一だからね」
「そこは仕方ないですよね」
「ああ、自衛隊何か貧乏なんだよ」
薊の見たところである。
「あからさまに金ない感じだよ」
「巨人と広島みたいな違い?」
「それ位の差があります?」
「あるな、海自さん船はいいんだけれどさ」
薊は横須賀の基地を実際に何度も観て回った感想を述べた。
「どうにもさ、建物とか飯が」
「アメリカ軍と比べるとなのね」
「お金ない感じなんですね」
「まあ実際自衛隊へ回るお金少ないらしいしさ」
国家予算の中でだ、それはお世辞にも多い割合ではない。
「だからさ」
「バイキングもなくて」
「食べることは」
「カレーは美味いよ」
それは、というのだ。
「ついでにコーヒーと」
「じゃあカレーを頂いて」
「あとコーヒーと」
「コーヒーもなの」
「何か、横須賀じゃ言ってるんだよ」
海上自衛隊だけでなく街全体でというのだ。
「コーヒーは海軍からはじまったってな」
「そうなの」
「海軍で飲みはじめてさ」
「それで広まったのね」
「そう言ってるんだよ」
「だからなのね」
「海自さんでもコーヒーなんだよ」
この飲みものをよく飲んでいるというのだ。
「そうなんだよ」
「そうなのね」
「それでコーヒーもいいんだよ」
「じゃあ海自さんの基地に行ったらカレーとコーヒーね」
「あと肉じゃがな」
これもだというのだ。
「これは舞鶴だけれど有名だから」
「肉じゃがは聞いてます」
伸子が言ってきた。
「あれですよね、東郷平八郎さんの」
「そうだよ、連合艦隊司令長官だったな」
「日露戦争の時の人ですね」
「あの人が由来なんだよ」
「ビーフシチューを作ってくれってあの人が言ったら
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