第三十話
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え? お、おい美羽?」
美羽が有無を言わさずに俺の手を取って玉座から出た。
「……そして何で街中にいるんだ?」
俺と美羽は城を出て、街中にいた。
「たまには妾と御飯を食べるのもいいじゃろ?」
「……まぁいいけど……」
俺と美羽は、俺がよく訪れる店に行った。
―――メシ屋―――
「美羽は何をする?」
「そうじゃのぅ。炒飯と青椒肉絲かのぅ」
「分かった。姉さぁん、炒飯と青椒肉絲とラーメン定食ね」
「は?い」
近くにいた係の女性が頷いた。
「………で、俺に何か話す事があるんじゃないのか?」
「……何でじゃ?」
「俺達の席が店の奥だからな。それに他の客からは死角になりやすい席に座っている」
美羽はメシ屋に着くと、奥の席で食べる事を望んだ。
食べるだけなら近くの席でいいのに、わざわざ奥の席を望んだからな。
「……長門には敵わぬ。実は長門達が南陽に帰ってくる前に洛陽から再び一報が来たのじゃ」
「一報だと?」
「うむ」
美羽が頷いた。
「はい、お待たせしました?」
そこへ頼んでいた料理がきた。
「まぁ食べながら言うかの」
美羽はレンゲで炒飯を掬って食べる。
「実はの、洛陽からの一報は何進が十常侍に討たれた事じゃ」
「ッ!? ……やはり何進は死にましたか」
「……何か分かっていたようじゃな?」
「いえ、霊帝が亡くなったのだから何進と十常侍が争ってどちらかが死ぬと思っていましたので」
流石に横山三国志を見たからとは言えんからな。
「十常侍は何進の命を受けて洛陽に来ていた麗羽姉様達が討った。しかし、洛陽は董卓がいすいてるので麗羽姉様が大分カンカンになっておるのじゃ」
……横山三国志みたいだな、多分。
「恐らくは漢王朝も終わりじゃ。国々で分かれた戦国時代になるじゃろう」
「……そうですね」
美羽の考えは半分当たっているな。
「ま、これを言うのも半分じゃが、長門と昼食をするのも目的じゃからのぅ」
「……こりゃぁ一本取られた。餃子でも頼んだるよ」
「ヌハハハ。そうじゃろそうじゃろ」
美羽が笑う。
俺達は昼食を終えると、城に戻ったが何やら騒がしかった。
「おぉ美羽様大変でありますぞッ!!」
零が慌てて俺達に駆け寄る。
「どうしたのじゃ零?」
「これを見て下され。袁紹殿が各地に放った檄文ですッ!!」
「何じゃと……………なッ!?」
檄文を読んだ美羽が叫んだ。
「長門。檄文を見るのじゃ」
「あぁ………マジかよ……」
俺は唖然とした。
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