第十二幕その七
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
その服を見てです、ジョージと神宝は言うのです。
「綺麗になってるね」
「ちゃんとね」
「洗濯もしたしアイロンもかけたし」
「ぱりってしてるよ」
「うん、洗濯してもらってね」
実際にそうだと答えるジャックでした。
「アイロンもかけてもらったんだ」
「だからですね」
「綺麗なんですね」
「そうだよ、パーティーに出るからね」
それ故にというのです。
「僕も服を綺麗にしたんだ」
「そうなんですね、ジャックさんも」
「そうされたんですか」
「あたしもよ」
つぎはぎ娘もこう言ってきました。
「洗濯してもらったのよ、乾かしてもらってね」
「色が落ちるとかは」
「そっちの心配はもういらないの、あたしはね」
こうカルロスにお話します。
「ちゃんと魔法でそうしてもらったから」
「あっ、そうなんですか」
「もうあたしは色落ちも怖くないの」
こうくるくると回りながらカルロスにお話します。
「怖いのは火だけよ」
「それはですね」
「そう、かかしさんと一緒でね」
駄目だというのです。
「けれどそれ以外なら平気だから」
「洗濯しても綺麗になるだけですね」
「どう、今のあたし」
「綺麗です、それに」
「それに?」
「いい匂いもします」
洗剤のその匂いがするというのです。
「とても」
「それは何よりね」
「じゃあ今からつぎはぎ娘さんも」
「あたしは何も食べないし飲まないけれどね」
かかしや木樵、ジャック達と同じくです。ですがそれでもだというのです。
「雰囲気をご馳走になるよ」
「わかりました、それじゃあ」
「あっ、今は」
ここでなのでした、不意に。
オズマはです、場を見回してこう言いました。
「あっ、まだ来ていないわね」
「そうね、そういえばね」
ドロシーもオズマのその言葉に応えました。
「あの娘が来ていないわね」
「まだね」
「そう、あの娘がまだよ」
「あの娘?」
ナターシャは最初は二人の言葉の意味がわかりませんでした。それで首を傾げさせてしまいました。ですが。
すぐにです、はっとなってこう言いました。
「そうですね、あの人がまだですね」
「そう、だからね」
「もう少し待ちましょう」
こう言うのですた、二人はナターシャにも。
「もう少しで来るから」
「それまでの間はね」
もうご馳走に飲みものは全部用意されています、それでもでした。
「オジョとウージィも一緒だから」
「二人もあの娘と一緒だからね」
「だからここはね」
「今はね」
「はい、待ちます」
ナターシャが言ってでした、そして。
四人もです、その他の人達もです。
今少しだけ待つことにしました、それから数分経ちますと。
お空から虹が出てきました、その虹からです。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ