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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第1話『二度目の出逢いと、雪姫の心』
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・・」

──え!?

頭が真っ白になる。
くるりと身を翻すまくらが、バスタオルの中から肩紐を引っ張りあげ、また半回転。そしてバサっとバスタオルを脱ぎ捨てる。
「アタシっ、完っ全勝利っ!!!」
そこには、キャミソールとホットパンツを身につけたまくらがいた。

茫然自失の少年、
そんな計佑を尻目に、まくらは満面の笑みでソファに飛び込むと、ゲラゲラと笑い始めた。
「ひーっひっひっ、今の顔ってば最高ぉー! アハハハ!! マジうけるー!!!」
ひたすら笑い転げてみせる幼馴染。
「……おまえ……」
ようやく思考回路がもどってきた少年が低い声で呟いた。
「あーっはははっ・・・なにー?」
「ふざけんなっっ!!! 」
まくらとのふざけ合いもケンカも日常茶飯事だった。
しかし、まくらに本気で腹を立てたのは随分久しりだった。

──こんなマネされて笑える訳ねーだろうがっ!!!

計佑とて多感な思春期の少年だ。
その性欲をこんな風におちょくられては、とても平静でいられる筈もなかった。
ギリっとまくらを睨みつけると、それ以上は言葉もなく立ち去ろうとする。
「けっ計佑、ごめん・・・!」
まくらが、本気の響きの謝罪をしてくるが──無視した。
いつもの遊びゲンカのようにさらりと許せる気は、まるでしなかった。

─────────────────────────────────

「あーしまった・・・寝過ぎちまったか・・・」
部屋へ戻った計佑だが、怒りが収まらず、この日はいつもの天体観測も身が入らなかった。
ちょっと気分転換でもするかと横になり──目が覚めた今は、もう12時を過ぎていた。
──バタンっ!!
そこに由希子が飛び込んでくると、荒い声を上げた。
「計佑っ、あんたくーちゃんのことしらないっ?」
「・・・はぁ? まくらだって・・・? 」
夕方の一件を思い出して顔をしかめてみせたが、
「くーちゃんがまだ家に戻ってないのよっ、あんたちょっと捜して来て!!」
「・・・どーせコンビニとかってオチでしょ・・・」
「くーちゃんがこんな時間に起きてるわけないでしょーがっ!
アタシは連絡待ちで家にいるから、ほらっ早く!!」
「・・・ええー・・・」
まだどこか寝ぼけていた計佑だが、
「ぐずぐずせんとさっさといってこいっ」
ゴス!!
強烈なヒジとともに叩きだされてしまった。
「つおー・・・だからなんでいつもヒジなんだよ・・・せめてゲンコツに」
ぶつぶつと恨み言が口をつくが、痛みで意識ははっきりしてきた。
「捜せといってもなー・・・俺も心当たりなんてねーのにどこ捜せと・・・」

──あーもーっ!! 夕方のコトといい、一体なんのつもりなんだあいつは〜っ!!

ギリギリとまた怒りがこみあげてきたが、
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