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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第1話『二度目の出逢いと、雪姫の心』
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──でも……おっ……お尻に指が──!!

限界まで力りんでいる少年の手がどんどん汗をかいているせいで、
手のひらが支えている部分のダンボールが、次第にふにゃふにゃになっていく。
そして、その部分はちょうど雪姫のお尻がある場所で。

──うーっ……わざとやってる訳じゃないんだろうけど……っ!!

持ち直すためか、時々位置を変えたり、指先がめりこんできたり。

──〜〜〜っ・・・!!

声をあげる訳にもいかず、計佑とは違う理由で少女が震え続けていた。

─────────────────────────────────

「つっ・・・つきました」
ようやく裏門に雪姫入りのダンボールを下ろし、計佑がぜーぜーと荒い息をついて膝に手をついていた。
箱から、赤い顔をした雪姫がゆっくりと出てくるが、荒い息で俯いている少年は気づかない。
雪姫もまたあさっての方向を向いたまま、礼を口にする。
「助かったわ。……ありがとう」
「全然っ……それじゃっ」
雪姫が、裏門を乗り越えようと手を掛けるが、そこで計佑にちらりと視線を向ける。
計佑はまだ膝に手をついていて、雪姫には計佑の横顔しか見えなかったが……
「……あ。君は……」
「 ? はい……? 」
計佑も、ようやく膝から手を離して雪姫へと目を向けた。

──えっ……このヒトもしかして。ナントカ先輩っ!?

そこで初めて、今朝まくらが騒いでいた、テレビに出ている女性だと気づく。

──うわー……生で見ても、確かにすごいキレイな人だなー。
そっかー・・・隠れてたりしてたのは芸能人だったからなのか。

暫くの間、ぼーっと見とれていた計佑だが、
その間ぼおっとしていたのは雪姫のほうも同じだった。
「あの、……先輩?」
先に我に返った計佑が、話しかけてきておいて黙りこんでしまった少女へと声をかける。
「あっ、ううん……ところでさあ」
すると雪姫は慌てたように目線をそらし、裏門を乗り越えながら続ける。
「キミ……最初に胸さわったの」
「うえっ!?」
ギクリとする。ここまで触れられなかったので、てっきりスルーしてもらえるのかと思い込んでいた。
「……ワザとじゃないの?」
「えぇっ!? そんなっ!! 違います違いますっ」
慌てて両手を振り、必死に否定する。
芸能人に痴漢した男──そんなレッテルを貼られたら、自分の学校生活はオワリだ……!!
恐怖で肝が冷え、熱くなっていた身体が一気に冷めた。
裏門を乗り越えた雪姫がちょいちょいと手招きする。
「こっち来て」
さっきまでとは違う、何やら企んでいるような表情の少女。
逆らえる立場にない少年が、ビクビクしながらも近づく。
雪姫はそんな様子の計佑をニマニマと待ち受けて──
ぐいーーーっっ
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