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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第1話『二度目の出逢いと、雪姫の心』
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けるのを感じた瞬間、計佑の金縛りもようやく解けた。
「あっあのっ……」
口にかぶせられた手に軽く力をかけ、口を開く。
「あ・・・ごめんなさい。突然こんなことしちゃって」
ようやく、彼女がどいてくれた。
パンパンと服をはたく音と共に、彼女の声が続く。
「ホントにごめんね。なんか巻き込んじゃうみたいにして……」
「やっ、全然……別に……」
ショックが抜けきらず、まだカタコトしか発言できない。
「最初から鍵かけとけばよかったのよね・・・うっかりしてたなぁ」
そんな独り言らしきセリフをいう女性。
多少目は慣れてきたが、やはり彼女の顔の細部はわからなかった。
「あの・・・なんか追われてるんですか? ヤバイんなら先生に連絡とか」
ようやく思考と会話能力がもどってきて、そんな風に話しかけたが、
「あー……うん、そんなんじゃないの。
ちょっとこう……オーディションを受けさせられそうになってただけで」
「えっ? オーディション……?」
「あっううん!! そんなことより、貴方、名前は?」
「あっ……1年の目覚計佑です」
名乗ってから、自分がずっと敬語だったことに気づいた。
自分と同じ学生なら、同じ学年の可能性もあるのだけれど。
胸をつかんでしまった罪悪感と、一連のショッキングな流れからのせいなのかもしれなかった。
「……私は三年の白井雪姫」
「あっ、先輩ですかやっぱり……ん? 白井雪姫って……あれ? なんか聞き覚えあるような──」
「ねえっ」
その白井先輩が遮るように声をあげた。
「それより、もうちょっとだけ手を貸してくれないかな……? なんとか裏門まで見つからずに行きたいんだけど」
「見つからず……ですか」
計佑が、足元に転がる自分の運んできた巨大なダンボール箱を見下ろした。
「……スネークごっこって知ってます?」
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「っ……っ……」
ぷるぷると危なっかしい足取りで、計佑がさっきまでは軽かったダンボール箱を運んでいる。
「ねえ・・ホントに大丈夫・・・?」
「だっ 大丈夫です・・・ 」
──ホントはかなりやばいんだけど・・・っ
あるいはお姫様だっこのように、相手もこちらに掴まってくれているならともかく、
体育会系でもない、細めの少年が40キロを超えるダンボール箱を持ち運ぶというのは
かなり厳しいことだったのだけれど。
計佑はよくやっていた。
「えっ!? やっ! きゃっ!」
「ちょっ、声出したらヤバイですって!!」
突然の雪姫の声に、計佑も思わず普通の音量で注意してしまう。
「ごめっ」
ダンボールの中から、今度は小さい声で少女が謝ってきた。
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