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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第1話『二度目の出逢いと、雪姫の心』
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──えっ、誰・・・!?

追手から逃げて準備室に飛びこみ、ドアにもたれて一息ついていた少女は、
そのドアが蹴られた事でビクリとドアから身体を離して振り返った。
すぐにドアが開き、

──見つかった・・・!?

覚悟した少女だったが、彼女の視界に入ってきたのは、まず巨大なダンボール、
そしてそれを抱えている生徒の足だった。

──なんだ、違った・・・

ほぅと軽く息をついたが、安心するのは早かった。
前が見えていないその人物は、彼女の存在に気づかずズイっと部屋に踏み込んできたのだ。

「! 待っ──」

─────────────────────────────────

「待っ──」
「え」
聞こえた声に反応は間に合わなかった。加えて、足元に転がっていた何かで足が滑る。
「うわっ・・・」
抱えていたダンボールを放り出すも、もうバランスは取り戻せず──
バターン!
受け身も殆どとれずに倒れこんでしまった。
「ってぇぇ……」
痛みに顔をしかめていた計佑だが、
ふと、左手が柔らかいものを握っていることに気づいた。
──なんだこれ・・・
遮光カーテンで窓が覆われた室内はかなり暗い。
しかし開きっぱなしのドアからの光があれば、自分が握っているものが──

──女子の胸ぇっ!?

とわかるには十分だった。
はわっと慌てて手を離し、謝ろうとした瞬間、
「そっちは捜したのかー!?」
男性のそんな声が聞こえてきて、目前の女性がギクリとした。
彼女は慌てて立ち上がると、ドアをピシャリとしめつけ鍵をかけて、
また身を翻すとまだ倒れたままの計佑に覆いかぶさってきた。

──!!!???

ドアを閉められ、暗くなってしまった室内では相手の顔は良くわからなかった。
しかし突然女性にのしかかられて、平然としていられる訳もなく、
半ばパニックになって硬直してしまう計佑。
そんな計佑の口あたりを、女性の手が塞いでくる。

───!!!??!?!!??

もはや目を白黒させるばかりしか出来ないでいると、
「声・・・出さないでね。お願い……」
言われなくても、完全に硬直してしまっている計佑。
「おい、もうホントに時間ないぞっ。早く見つけてこいよっ!!」
ガタン! ガチャガチャッ!!
そんな声の主が、ドアを開けようとしたきた。
しかし鍵がかかってる以上開くはずもなく、
「理科準備室で鍵か・・・普通なら施錠したままのはずだな」
確かに薬品がある部屋を通常開けっぱなしにする筈はないのだが、
その常識的な思い込みが、彼にとっては仇となった。
「くそっ、一体どこなんだよっ」
悪態をつく声が、足音と共に遠ざかっていく。
「……はー。助かった・・・」
つぶやく女性の身体から力が抜
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