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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第1話『二度目の出逢いと、雪姫の心』
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頭の痛みがおさまってくると、危機感が芽生え始めてきた。

──確かに、10時過ぎには寝ついて朝まで起きないハズのアイツがこんな時間に家にいないなんて初めてじゃないのか・・・?

「・・・・しゃーねーなーもうっ」
チャリを漕ぎ出すと、いつしか全速力で走り出していた。
行きつけのコンビニをまわり、ファミレスへ行き、学校まで走り、
母親に確認の電話をして、今度はゆっくりと周りを見回しながら走り、
家まで戻り、わかってはいても母に直接確認したり……
気がつけば深夜2時を過ぎていた。

──あーもーホントわかんねーぞ・・・マジでどうしたんだよアイツ。他に心当たり・・・うーん・・・

最近の行動範囲は全部まわったハズだ。だったらもう・・・

──昔行ったような場所まわってみるしかないか・・・

─────────────────────────────────

──流石にないとは思うんだがなぁ・・・こんなとこ・・・

木々やぼうぼうの雑草の中を、クモの巣を払いながら進んでいく。

──ガキの頃はよく来てたんだけどなぁ・・・この坂をぬけると、たしかひまわり畑があって・・・

ちょっとだけノスタルジックに浸りながら、林を抜ける。
月光の中、視界には一面のひまわり。
しかし今の計佑の意識にとまるのは──
「いたっ!!」
まくらがいた。こちらに背を向けてベンチに座っていて後頭部しか見えないが、間違いないハズだ。
「まくらー!!」
大声で呼びかける。
その声に反応したのか、まくらの身体がくらっと傾いてベンチの背に完全に隠れてしまい、姿が完全に見えなくなる。
「あのなーっ、いい加減にしろっ!」
安堵と怒りを同時に覚えなから駆け寄る。
ベンチの前に回りこんでみると──スースーと寝息をたてるまくらがそこにいた。
その姿に、安堵の気持ちは怒り一色に塗り替えられていく。
「何のんきに寝てやがるコラーっ」
「ひゃあああっ、なにナニ何なのー!?」
少年の怒声に、まくらが飛び起きた。
「今何時だと思ってんだバカヤローッ!!」
「えっえっ!? えーと・・・何時?」
逆に尋ねてくるまくら。
「二時過ぎだよっ! 夜中のなっ!! ・・・ていうか、もう三時過ぎてるんじゃないか?
たくもー・・・やっぱり心配なんていらなかったんじゃねーかよ・・・」
ぽかんとするまくら。
「・・・なんだそのツラは」
じろりと睨む計佑。
「えっ、なんでもない」
慌てたようにパタパタと手を振るまくら、しかしぱあっと笑うと
「へへ……計佑。探しにきてくれたんだ・・・もう怒ってない?」
その一言で夕方のことを思い出す。
……思い出して、顔をしかめた。
夕方の一件を忘れた訳ではない。
けど、バタバタ走り回ってるウチに、も
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