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I want BRAVERY
9話 覚醒前夜
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たと思う。

 その真田先輩があれだけ引きずる怪我をした。
 しかし、それは『怪我だけですんだ』と考えることもできる。

 つまり最初の大型シャドウは12レベル程度の真田先輩が勝てない相手で、殺されない程度のレベル。

 2体目以降の大型シャドウは、主人公のレベルに沿って上がっていた。

 そう考えると、最初の大型シャドウはレベル5以下くらいになるだろう。
 そうだとするならば、当時の真田が勝てない理由がない。
 となると、その考えは間違っているのだろう。

 最初の大型シャドウの存在は、主人公のペルソナ覚醒のためだけにある。

 もし、そう考えるなら、最初の大型シャドウのレベルが高くても納得がいく。

 主人公が召還した、ないし勝手に出てきたタナトスは、レベル65程度のはず。
 そのタナトスが圧勝した、というのはあまり情報として役に立たない。

 となるとやはり、真田先輩が生きて帰ってきたことを考えて、レベル20程度が妥当なとこだと思われる。

 今の俺のレベルが29。 
 俺が確認することはできないが、たぶん真田先輩のレベルは30くらいだろう。

 となると、今の先輩ならその大型シャドウに勝てる。

 これはある意味、最大の原作崩壊へつながるのではないだろうか。
 もし、真田先輩が大型シャドウを倒して帰ってきてしまったら、主人公の覚醒はだいぶ遅くなるだろう。

 転校したてで、いきなり戦ってくれ、などと言われて納得する人間がいるとは思えない。

 しかし、寮が直接被害を受けるのはあれ以降ない。

 となると、最初の大型シャドウを真田先輩に倒されてしまっては困る。

 原作の世界は主人公の犠牲を以ってして救われたのだ。

 俺が高校生活、ないしその後のバラ色人生を歩むために、途中で世界が滅びてしまうのは困る。

「・・・い・・・おいっ!」

 はっ、として顔を上げる。

「なんです?」

「なんです、ってお前、何ぼぉっとしてるんだ」

 どうやら結構深く考え込んでしまったらしい。

「すいません。どうやったら脳みそまで筋肉のアホを止められるか考えていました」

「?誰だそれは。まぁ、よくわからんが、困ったら一発殴ってやれ。それで基本目がさめるだろう」

「殴っていいですか?」

「?ボクシングがしたいのか?」

「・・・いえ、なんでもないです。タルタロス行きましょうか」

「よくわからんが、やる気になってくれたなら問題ない!さぁ、行くぞ!」

「・・・はぁ」

 ゲームでは主人公が生きていれば、他のキャラは復活できたが、今は違うかもしれない。

 もし、仮に復活できるとしても、瀕死の怪我なんて負いたくもない。

 となると
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