第四話 一
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た。
天羅を殺した例の司令官。彼と、声が良く似ているのだ。
そんな事を思っていたその矢先、突然扉が開いて、真っ青な顔をした白衣の男が入ってくる
あの男は…… 結月に殺された健吾だった。
「やあ、どうしましたか? 夢見健吾君?」
健吾が入ってきた時、彼は来ると予見していたのか、身体を反転させて健吾の方へ不敵な笑みを見せて顔を向ける。
入ってきた健吾は、以前の無表情な顔とは違い、感情を昂ぶらせて激昂している。
「お前、間宮仁!! 人の息子になんて事をしてくれたんだ!! 良くも、良くも!! 散々いっただろう、この研究には反対すると! 何故、勝手に進めたんだ!」
彼は間宮仁っという、司令官似の男の胸ぐらを怒りながらつかみあげる。
そんな状況にも関わらず、間宮は表情を崩さずに、むしろ嬉しそうに声を高くして彼へ話しかけた。
「いやー、君の息子さんは良い働きをしてくれましたよ、何せ彼は適合者より、その上の能力を我々にもたらせたからな!」
「研究が成功しても、どの道人類に待っているのは滅びだけだ! 何故それが分からない。いいか、お前が作ったものは、デセスポワールよりもその上位のバ ケ モ ノ だ!」
「何を言っているんだお前は? 能力は使わなければそんな化け物になるわけがないだろう。何より、能力を使いさえしなければ我々は年を取らないうえ、死ぬ事のない不老不死になれるのだ! 人間が長年探し、求めていた不老不死だぞ? さっき、私の部下に試してみたが、幾ら身体に銃弾を浴びてもケロっとしていたぞ、全く素晴らしいな」
「自分の部下に試した…… だと? この悪魔め……果たしてそれが本当に良い事なのか分からないがな。ともかく、息子を返してもらうぞ!」
健吾は威圧を効かせて、そう言うや懐からピストルを取り出して、間宮に向けて構えた。
「ところで知っているか? 俺はお前の息子に何をしたのかを?」
「あぁ、四肢を切り落とし、腹を捌いて内臓を全て取り除いたのだろう、この外道が」
「それ以外にも脳を少しばかり弄り、記憶、知識、感情、理性を忘却の彼方へと送り込んだ。きっと目が覚めてもお前の事は覚えていまい。さぁ、秘密を教えたところで少しばかり眠ってもらおう」
彼はにやりと笑って、彼と同じく懐から銃を取り出して、彼の首筋に向けて躊躇わずに発砲した。
胸を撃たれた彼は胸を押さえる。だが、彼の撃たれた箇所からは血が出ていなかった。
痛みも無い。
しかし……
「ぐっ…… こ、これは…… 麻酔……か!」
「だから言っただろう、眠ってもらうと」
健吾は麻酔が身体に回り始め、身体が重くなり、徐々に視界がぼやけていく。
彼は精一杯何かを伝えようと、震える口を動かすも、結局声が出ず
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