第一部 刻の鼓動
第一章 カミーユ・ビダン
第四節 渓谷 第四話 (通算第19話)
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した。カミーユが自分とフラガの期待通りならば、いずれは自分たちを越して行くのだ。ニュータイプかもしれないと噂されたフラガをも超えていけるならば、あの作戦に参加させることがいい刺激になるかもしれない。ならば……。
「よし、お前の判断にまかせる。ダミーだとしたらどうしたい?」
「え?!」
今度はカミーユが驚く番だった。まさか、自分が意見を問われるとは思わなかったのだ。正直な話、カミーユは戦術や戦略が苦手であり、シミュレーションの授業は負けないことに徹するタイプだった。が、実戦になれば、自然と戦術的に間違いないポジションを確保し、危機的状況をも回避するという強運をみせていた。用意していた訳ではないが、自分の直感を話す気にはなれた。
「フラガ隊長は舞台をライズバレル渓谷に限定されました。ここは特に視界が狭く、前方に注意が行きがちです。ですから、上空のダミーで攪乱、正面からの奇襲で来る気がします。」
「それで?」
「ですから、ダミーを逆手にとって、ダミーの背後から急襲するのはどうでしょう?」
サラートはカミーユの戦術成績を知っている。決して優秀ではない。だが、この状況ではフラガの不意を突く以外、普通に考えてカミーユが勝てる状況ではない。上出来だ。
「ダミーを射出せずに、出せるか?」
サラートは悪戯を考えついた子供の様な人を食った笑みを浮かべて、カミーユに指示を出した。
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