第一部 刻の鼓動
第一章 カミーユ・ビダン
第四節 渓谷 第一話 (通算第16話)
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でボディーカラーがフォレストグリーンである。連合宇宙軍ではそれが正式なカラーリングに指定されている。パーソナルカラーの概念はない。部隊カラーなどは特殊部隊や特務部隊のみということになっている。肩には部隊章、シールドは伝統的な連邦軍の標準シールドにグリーングラナダを表すGNの文字が描かれている。
「カミーユ!ランバン!遅いぞ!」管制官ががなる。
「諒解!」
こういうときの呼吸はいい。ランバンとカミーユの唱和した返答である。新兵であっても決して謝らない。これはパイロットの特権だった。
「〈アルファ・トゥ〉、〈レプラコーン〉。リフトオフ」
「〈アルファ・ツリー〉、〈チャンピオン〉。リフトオフ」
「アルファ・トゥ、発進位置へ」
「ラジャー」
「アルファ・ツリー、そのまま待機願います。」
「ラジャー」
カタパルトペダルに足を合わせる。スキージャンプの要領で、モビルスーツに体勢をとらす。発進と同時に脚を伸ばし、バックパックのテールスラスターを噴かして巡航速度を得る。パトロールでは戦闘速度は不要だ。
「先行して〈アルファ・ワン〉〈ライトニング〉と〈アルファ・フォウ〉〈キャッツ〉が出ている。模擬戦だろ?」
「うわ…隊長だけじゃないのかよ…」
ランバンのぼやきが始まった。
「ランバン、お前の負けに晩飯を賭けとくぜ!」
「カウントダウン!」
今度はランバンががなった。レッドゲージが消灯し、グリーンランプが点く。射出。急激なGがランバンを襲う。テールノズルが四つ輝いた。
「あっちゃー…噴かし過ぎだよ、ランバン…」
管制官に促されながら、カミーユも機体を発進位置に移動させる。この辺りの動作は基本的に半自動で行われようになっているが、カミーユは手動の方が好きだった。
「〈チャンピオン〉〈ロメオ・アルファ・ツリー〉発進!」
別に口にする必要のない台詞を何故か口にしてしまうカミーユだった。
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