第十一話
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い機体になるだけだし、斯衛の新型戦術機は、高性能だけど1機当たりのコスト高がネックになるから、全体には配備するのが難しいからな。
「言いたい事は分かりました。技術協力をして欲しいと言いたいのですね?」
「うむ。早い話がそうなのだ」
相づちを打つ彩峰中将。まあ、本来貴方は技術分野の方ではないですからね。
「残念ながら、それは出来ません」
「な、何故、ですか!不動准将!貴方は日本人でありましょうに!」
沙霧中尉が机を両手で強く叩き立ち上がり、俺に怒鳴り声をあげる。見るからに納得がいかない顔をしている。
「沙霧中尉。今私は、彩峰中将と話しているのだ。黙っていろ」
「いや、出来ません!貴方程の方が何故、何故手を差し伸べてくれないのですか!貴方は斯衛の生まれであるのですから、殿下に忠義を捧げているのではありませんのですか!この日本の戦闘機開発の危機に対して、何故ですか!」
どんどん、声を荒らげる沙霧中尉。この頃から既に熱い漢でしたか。熱血過ぎで女性陣は引いてますよ。まあ、シーマ中佐は、相手から見えないように何時でも武器を出せる様にしていますから、警護に関しては大丈夫ですな。月詠大尉は、黒いオーラ全開で俺を睨んでいるしね。マジで怖いです。
「尚哉!止めないか!」
彩峰中将の叱責が沙霧中尉に飛ぶ。
「申し訳ありません不動准将。尚哉は殿下に関わる事が出てくると直ぐに熱くなるのでな。今の失礼は、私に免じて許してやって貰えないか?」
再び頭を下げる彩峰中将。沙霧中尉、あんた尊敬する師に何度も頭を下げさせるなよ。まあ、怒ってる訳では無いからいいですし、さっき月詠大尉のお説教から助けて頂いた件もありますからな。
「頭を上げてください。私は全く気にしていません。寧ろ沙霧中尉の、殿下に対する忠義の高さがよく分かりましたから」
「そう言って貰えて良かったよ。尚哉お前も、頭を下げなさい」
「は、はい。すいませんでした。年下とは言えど上官に対する態度では、ありませんでした」
立ったまま頭を下げる沙霧中尉。また、綺麗なお辞儀な事で。
「良いよ。それより座ってくれないか?何故拒否するのか理由を話したいから」
「は!ありがとうございます」
再び席に座る沙霧中尉。
「では、断った理由ですが、私達メビウスは自分達の技術を一国だけに、提供することは出来ません。此はメビウスの設立当初から全く変わっておりません。此は一人勝ちだけをさせないためです」
「うん?どう言う事ですか?」
「真耶さん。俺達の技術はある意味進んでいるが、それがもし何処か一つの国だけに、供給されたら他の国が黙っているかい?」
「そう言うことか。自分達だけで、守っている技術が他国に流れたら他の国々も
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