マクロスF
0683話
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「全く。結局チケット取るのは不可能だったとは言っても、俺にまで手伝わせるとかどうなんだろうな」
溜息を吐きながら、俺はアイランド1のサンフランシスコエリアにあるチケットを売買している店へと向かっていた。
ギリアムと一緒にフロンティア船団内を色々と見て回ってから暫く経った2月の末日。昨日の午後にはシェリル・ノームがこのフロンティア船団へと到着したとかニュースで流れていた。
シェリル・ノームが来たという事で、首都でもあるアイランド1内でのシェリル熱とでも言うべきものが爆発的に広がっている。そんな状態でライブチケットを手に入れるというのは無理というものだろう。
「さて、まぁ、無駄足だろうけどな」
無駄足であるだろうと知ってはいても、それでも藁にも縋る思いで店の中へと入る。
「いらっしゃいませぇ」
どこかやる気のない店員の声を聞きつつ、店の中を見回す。大体6畳程度の広さで、決して広いとは言えない店だ。だがそれだけに、あるいはチケットの売れ残りがあるかもしれない。そんな思いでケースの中に入っているチケットを眺めていくが、当然の様にそこにシェリルのチケットは存在しない。他の歌手のライブチケットならかなりの数あるんだが……というか、ありすぎるんだが。これってもしかしてシェリルが来ているせいで他の歌手達のライブは閑古鳥が鳴いている状況って訳か?
とにかく、ケースの中にはシェリルのライブチケットがないので、やる気のない店員へと尋ねてみることにする。
「シェリルのライブチケットって……」
「無いですよ」
最後まで言わせずにそう告げてくる店員は、どこか飽き飽きしたような表情を浮かべて俺へと視線を向けていた。
「お客さんのように、一縷の希望を抱いてシェリルのライブチケットを求めて来る人もいるんですけど、残念ながら入荷はしてません。それに入荷したとしても、恐らくそんな情報が流れれば1分もしないうちに売り切れてしまいますよ。それに……」
チラリ、と俺の服装へと視線を向ける店員。一応S.M.Sの外に出るという事で、現在の俺は適当な服を着ている。とは言っても、フロンティア船団内で買った物ではなく、空間倉庫の中に入っていた私服だが。
「もし入荷したら、恐らくとんでもない値段が付きますよ? 需要と供給の関係で、それこそお客さんの貰っているお小遣いじゃとても買えないような値段でね」
……なるほど。まぁ、15歳の外見であるのを考えれば、そう言われるのも無理は無いか。
とにかくこの店にチケットが売っていないのは確実なようなので、諦めて店の外に出てギリアムへと連絡を入れる。
『アクセルか! どうだった!?』
この店についてはチケット売り場的に穴場であり、それだけ期待していたのだろう。勢い込んで
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