マクロスF
0683話
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いぞ。大体、お前も何だって会ったばかりの俺に一緒に行動しろなんて誘ってくるんだよ」
「ちょっと、お前お前って気安く呼ばないでよね!」
俺の言葉に激昂する女だが……
「そもそも、初対面で自己紹介もしてないのにお前の名前が分かる訳ないだろうに」
「あ、あたしを知ら……ん、コホン。そう言えばそうだったわね。あたしはシェリーよ。さ、これで自己紹介したんだから、次はあんたの番よ」
それで自己紹介を済ませたつもりなのだろう。堂々とその豊かな胸を張り、俺へと問い掛けてくる。
マリューやレモン程じゃないにしろ、随分と豊かなその胸を見つつ再度溜息を吐く。
それを見たシェリーが、何故か顔を赤くして俺を睨みつける。
「ちょっと、あんたね。あたしよりも年下の癖に人の胸を見て溜息を吐くってどういう事よ。年上のお姉さんの魅力に参れとまでは言わないけど、少し失礼じゃない?」
「いや、まぁ、立派な胸だとは思うぞ。うん」
「全く、あんたくらいの年齢なら年上の女に興味津々でもおかしくないでしょうに。……変な子ね。あ、でも……そうね」
俺の方を見ながら、何かを企むかのような笑みを浮かべるシェリー。
「やっぱり、この辺をちょっと見て回るのに付き合えって言ってるのよ。感謝しなさい? あたしがこんなサービスをするなんて滅多に無いんだからね」
ふふん、と鼻を鳴らしてサングラス越しに俺の方を眺めてくるシェリーだが……
「悪い、断る」
「はぁっ!? なんですって? あたしの誘いを断るって言うの!?」
断られるのが余程意外だったのだろう。俺へと詰め寄って来るシェリー。
いや、何でそんなに自信満々なのかは分からないが、見知らぬ相手にいきなり観光に付き合えと言われて頷く方が少ないだろう。それに……
「一応、俺にはやるべき事があるからな」
「やるべき事?」
「ああ。上司の命令……いや、頼みでシェリルのライブチケットを何とか確保しなきゃいけないんだよ」
「……へぇ。シェリルのライブチケットをねぇ……」
何故か含み笑いをしながら俺へと視線を向けてくるシェリー。サングラス越しなのではっきりと確認は出来ないが、それでも悪戯っぽい光を浮かべているのは何となく予想出来る雰囲気を放っていた。
「でも、今からだと難しいんじゃない? シェリルのライブチケットって相当にプレミアが付いているって話だし」
「だろうな。実際、そこのチケット屋でちょっと聞いてみたけど、まず入荷は無いだろうって言われたし。それに入荷しても相当に高額になるらしい」
「ふふんっ、でしょうね」
俺の言葉に、何故か得意気に笑みを浮かべるシェリー。……もしかして。
「もしかして、お前……」
「え? 何かしら?」
「シェリルのライブチケット
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