マクロスF
0683話
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聞いてくるギリアムに無言で返す。このフロンティア船団の携帯は色々と微妙な物があるが――具体的には半ば生き物っぽいのとか――俺が使っているのはS.M.Sから配給されているシンプルな物だ。勿論普通はこの配給されている携帯よりも自分の趣味に合う物を新しく買うのだが、幸い俺は性能さえ満足なら特に形には拘らないので、そのまま使っている。……外見が俺の知っている携帯と大して変わらないってのもあるしな。
「残念ながら売ってなかった。店員にも聞いてみたが、売ってたとしてもかなりの値段がするらしい」
『だろうな。値段に関して言えばオズマ隊長の事だから幾らでも出すだろうが……あ、いやでも妹さんをお嬢様学校に通わせていてそんなに余裕は無かったんだったか?』
「ん? オズマの妹ってそんないい学校に行っているのか?」
『あれ? 知らなかったのか?』
不思議そうに尋ねてくるギリアムに、小さく頷く。確かに俺とオズマ、それとジェフリーは俺の秘密を共有している仲だ。だが、だからと言って全てを話している訳じゃ無いんだから、オズマが俺に妹の事を言っていないのも別に構わない。
……と言うか、普通は妹の学校を話したり何かはしないと思うけどな。
『まぁ、取りあえず大至急行っておかないといけない店はそこだけだったからな。もう戻って……ん? あぁ、ちょっと待ってくれ』
そう言い、通信画面の向こうで誰かと話し始めているギリアム。何だか微妙に嫌な予感がするな。
そのまま1分程が過ぎ……
『悪い、アクセル。もう暫くアイランド1の中にいてくれ。もしかしたらまた穴場の店を見つけられるかもしれないからな』
「それは構わないが、何をしていろと? まさかこのままずっと外にいろって訳でも無いだろ?」
『あー、そうだな。ある程度の料金はこっちで持つから、今日の午後はアイランド1の中を適当に見て回っていてくれ。こっちで穴場の店を掴んだら連絡をするから』
それだけ言って、素早く通信が切れる。……どうやら、まだ暫くこの辺りにいないといけないらしい。まぁ、それでもアイランド1の中とだけ言われているんだから、何か適当な店にでも寄っていくか。
ここが千束エリアとかいう、いわゆるアパート街みたいな場所だから……色々な店がある渋谷エリアか、あるいは観光名所の多いサンフランシスコエリアにでも……そう思って、1歩を踏み出したその時。ビルとビルの隙間から突然誰かが飛び出てくるのを感知する。
ちっ、敵か!? 俺の事がフロンティア船団の政府に知られたのか、あるいはS.M.Sの本社辺りが俺の情報を何らかの理由で知って手を出してきたのか。いや、もしかしたらL.A.Iがソルプレッサの出所を探るべく俺に手を出してきたのか。
とにかくビルの隙間から飛び出てきた相手の手首を掴み、その勢いを利
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