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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百三十五話 弔悼
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だと思っている男だ。
「現状においてイゼルローン要塞が反乱を起こした事で、イゼルローン回廊を利用した自由惑星同盟と帝国の通商が行う事が出来ません。経済界は大きな不満を抱えています。その事について如何思われるか、アルドニン通商委員長、お答えください」
指名されたアルドニンが渋い表情で答弁席に向かった。可哀想に、皆から責められてばかりいる。公平に見てアルドニンの所為じゃないんだけど……。もう少し寝ようか、俺の席は後ろの端だから目立たない。考えてるふりをして寝たって問題は無いよな。
「大変困った問題だと思っております。帝国軍が一日も早く反乱を鎮圧する事を望んでいます」
「しかし帝国軍が反乱鎮圧に努力しているようには見えません。帝国は本当に反乱を鎮圧する気が有るのか、同盟と協力して行く意思が有るのか、非常に疑問を抱かざるを得ないのですがアルドニン委員長はその点については如何御考えですか?」
小太りのデブが意地悪そうな顔をしている。しつこいよな、こいつ。政府は何度も反乱は半年ほどで鎮圧されると言っているのに。アルドニンもウンザリしているだろう。俺からはアルドニンの背中しか見えないが十分に想像がつく。デブの顔を見たくないから眼を瞑った。眠いからじゃないぞ。
「ドレイク代議員は帝国が同盟と協力して行く事に疑義をお持ちのようですが私はその事に疑いは持っていません。イゼルローン要塞の反乱により中断した捕虜交換はフェザーン回廊を使用する事で無事終了しました。これは帝国が同盟との協力を維持するという意思を行動で表したものだと私は判断します」
「……」
「それにこれまでにも何度か政府から説明していますが帝国からはイゼルローン要塞の反乱は半年ほどで鎮圧されると連絡が有りました、その具体的な作戦の内容もです。どのようにして鎮圧するかは説明出来ませんがかなりの確率で反乱は鎮圧出来ると同盟政府も考えています。ただ準備に時間がかかる、しかしイゼルローン要塞を攻略するのですからそれは已むを得ない事だと判断しています」
アルドニンは政府の公式見解通りの回答をした。自信満々だな、声に張りが有る。ザマアミロとでも思っているだろう。
「では、その反乱鎮圧が失敗した場合、政府は如何するのか、政府見解をどなたか述べていただきたい」
ドレイクは多分こっちの方を嫌味ったらしく見ているだろう。寝たふり寝たふり、俺には関係ない、誰か答えるさ。大体政府見解なんだからトリューニヒトが答えるのが筋だし安全保障問題だというならグリーンヒルかネグポンだ。フッフッフッ、最高評議会諮問委員長とは担当を持たない無任所の委員長なのだよ、ドレイク君。
「ヴァレンシュタイン委員長、起きているならば答えて頂けませんか?」
眼を開けた、皆が俺を見ている。ドレイクは嫌味ったらしく、ト
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