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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百三十五話 弔悼
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地球教か? 或いはフェザーン……」
「とは限りません。その時移動要塞を邪魔だと思う人間がいれば簡単に事故は起きます。或いは本当に事故であっても事件になってしまう可能性が有る……」
「なるほど、だから撤去しろと言うのか」
「ええ、撤去して純粋に要塞として利用した方が良いでしょう。移動する必要が出来たらその都度確認しながら取り付けた方が安全ですよ」
レムシャイド伯がまた唸り声を上げた。
「今後、移動要塞はもっと規模を小さくして別な形で利用した方が良いと私は考えています」
「如何いう事かな?」
伯の質問に諮問委員長が肩を竦めた。
「軍事要塞ではなく辺境星域や未開発星域を開発するための拠点基地として利用すべきだと思うのです。要塞内には食糧、開発用の器具、工業用プラント、農業用プラントを格納しておく。戦争に使うわけではないから要塞の規模は小さくて良い、要塞主砲も要りません。その分だけ開発、運用は楽なはずです。便利だと思いますよ、医療も整っていますからね。これは軍ではなく内務省の管轄かな」
なるほど、と思った。レムシャイド伯も頷いている。それにしても良く考えるものだ。
「面白い案だ。今度ブラウンシュバイク公、リッテンハイム侯に話してみよう。帝国は辺境星域の開発に力を注ぐ事になっている。御二方とも関心を持つはずだ」
帝国だけではない、おそらく同盟でも同じだろう。軍事技術が国内開発のために利用される。これ以外でも出てくるかもしれない。
「ところで卿、良いものを送ってくれたな」
「クッキーですか?」
「ブランデーもだ。クッキーは皆で食べたがブランデーは私が独り占めだ」
レムシャイド伯が嬉しそうにしている。諮問委員長がそんな伯爵の様子に苦笑を浮かべた。
「あのブランデーだが私の知人が造ったものだ。まさかこの国で飲めるとは思っていなかった」
「そうでしたか……、この間の貴族連合軍には?」
心配そうに委員長が問い掛けるとレムシャイド伯は苦笑しながら首を横に振った。
「参加する筈がない、あの男は酒を造る事の他は何の興味も無い男だからな」
委員長が笑うとレムシャイド伯も笑った。二人とも楽しそうだ。
「面白そうな方ですね、如何いう方なのです?」
「ふむ、元々は父親が自分の楽しみでワインやブランデー、ウィスキーを造っていたらしい。本人はそれを手伝っていたようだが父親の跡を継いでからは本格的に造り出したようだ。酒こそ人生の友、良い酒は人生を豊かにしてくれる。それが口癖だった」
レムシャイド伯が懐かしそうな表情をした。
「その方と親しかったのですか?」
「領地が近かった。時々遊びに行った事も有る。酒造りを手伝わされたことも有った。まあその分、見返りは貰った。売りには出さない秘蔵のワインやブランデーをな」
「それで
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