ヤン代将のある一日
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還者が出し、代将は大佐と違い退役前に准将に昇進する事が慣行になっていた。
で、仮にも将がつくので、ここからは司令ではなく提督と呼ばれるのだ。
こうやって同盟軍の人事は流動化している。
話が長くなったが、ヤン大佐が代将と呼ばれるのも当然シヴァ星系での一件に他ならない。
一躍英雄となったシェーンコップ中佐に功績も面倒も全部あげたつもりだったのだが、緑髪の副官がそれを見逃す訳も無く、マスターコンピューター発見とサイオキシンプラント発見と帝国軍から分艦隊を救った功績を全部伝えられ、代将に任命される羽目に。
功績が数え役満な為に堂々と准将に上げられると、喜色満面で緑髪のお姉さまがたのお言葉をいただいたヤンの顔はそりゃもう見事なまでに好きでもない娘から告白をもらったような顔になっていたとは、その時に居たシェーンコップ中佐の言葉である。
「帝国のフェザーン戦に関する研究会の出席だっけ?
めんどくさいなぁ……」
ぼやくヤンだが、第九艦隊に出番は無い。
というか、同盟艦隊に出番がある訳でもない。
何しろフェザーンと同盟は対帝国の軍事同盟を結んでいる訳でも無いからだ。
今回の研究会は、帝国のフェザーン制圧が可能か?帝国とフェザーンの軍事衝突後に同盟はどう動くのか?が議題となっていた。
「仕方ないですよ。
キャゼルヌ少将のお願いなんですから」
緑髪の副官の言葉はそっけない。
今回の研究会の参加は名目で、実際はキャゼルヌ少将に呼ばれて彼の家での食事会が本当の目的になっていた。
これに参加するのはヤンにラップ主計長にアッテンボロー戦術長。
近くに来たのだから飯でも食っていけという社会に良くあるあれだったりする。
「仕方ないよなぁ。
料理は絶品だし」
ヤンとて研究会は参加する気は無いが、キャゼルヌ少将の家での会食は楽しみにしていたのである。
「しかし、戦艦下賜か。
彼の功績ならば、艦隊母艦も夢ではないと思っていたけど」
惑星ハイネセンに向かうシャトルの中でアッテンボロー戦術長がニュースを見て呟く。
いまや艦隊戦の花形となった艦隊母艦を彼が受け取らず、新造された高速戦艦であるブリュンヒルトを受け取った事が話題になっていた。
それにラップ主計長が会話に乗る。
「最初は、反乱で滅亡したリッテンハイム候所有の拿捕した艦隊母艦ヴェルザンディを渡すつもりだったらしい。
で、あの動く宮殿をお気に召さなかった彼は『戦場に出るのに軍馬に乗らずしてどうする』と一蹴したとか。
ブリュンヒルトはここ最近戦場で見るようになった帝国軍の高速戦艦の発展改良型らしい」
10000メートルを超える超ジャガーノート級艦隊母艦ノルニル型二番艦ヴェルザンディは動く宮殿であり
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