第七章
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「防衛省なのね」
「結局。それしかないと思うんだ」
今度はマウスを動かしながらの言葉だった。動かしながら首を捻る。
「やっぱり。中から変えていくのがね」
「それなのね」
「勉強するよ」
真剣な言葉だった。それを発する顔も。どちらも真剣なものだった。
「入る為にね」
「しかも偉くなるつもりなのね」
「偉くならないと変えられないよ」
やはり真剣な顔と言葉だった。
「結局のところね。変えるのには中から変えないと」
「中から」
「そういうこと。だからやってみるよ」
「わかったわ」
彩名もその言葉を受けて微笑むのだった。受け入れる微笑みだった。
「応援させてもらうわ」
「うん。やってみるよ」
「背中は任せて」
二人で笑顔になって言い合う。これからのことに不安は感じている。しかしそれでもだった。その不安を心の中に収めて今は進むことにしたのだ。不安に包まれていても何もならないことがわかっているから。だからこそ今一歩を踏み出すのだった。少しでも前へ。それだけだった。
問題 完
2008・4・16
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