8話 School life
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順平だ。
「誰?」
「俺は伊織順平。ジュンペーでいいぜ」
順平は中2に転校してきた時の経験を語ってくれる。
(やっぱ順平って優しい・・・)
リアルでそれを感じるとキュンとくるものがあった。
そこへふとビッチの声が入る。
「ちょっとは相手のメーワクとか、考えたほうがいいよ?」
(お前がな)
「なんか偶然だよね?同じクラスになるなんてさ」
(けっ!)
「そうだね。知ってる人がいてよかったよ」
私はニコリと笑みを浮かべる。
順平の親切にケチをつけるビッチ。
「じゃ、行くね」
ビッチが教室から出て行く。
「ま、困ったことがあったらいつでも相談してくれよ」
「うん!ありがとう。私、稲城遥。遥って呼んでね」
「おう!よろしくな!あ、あと俺の友達も紹介するぜ」
原作にはなかった展開だ。
ペルソナ3のキャラは基本的に主人公以外に友達がいる描写はほとんどない。
そのため、順平に友達がいるとは思わなかった。
特に順平は原作主人公と一緒にいることが多く、他の人と一緒にいるのはごく稀だ。
「ん?なんだ髭。お前はやくも女子に手を・・・って、稲城さんか」
「あ、琉峰君」
「あれ?お前ら知り合い?」
「あぁ、彼女、俺と同じ寮なんだよね」
「うん。昨日入ったの。あと、私のこと、遥でいいよ」
「ん、じゃ、俺も彩でいいよ」
順平が紹介してくれた人は同じ寮の、イレギュラーである琉峰彩。
顔はそれなりにイイ。
超イケメンではないが、イケメンに分類される顔だ。
そして、なにか雰囲気が格好いい。
まさに雰囲気イケメン(?)だ。
「同じクラスなんだね。これからヨロシク」
ニコリと笑う彼。
なんかちょっとクラッときたけど、それを我慢して私は答える。
「うん。ヨロシクね」
ニコリと笑い返す。
(惚れろ!私に惚れろ!そして逆ハーの一員になれぇぇ!!)
思いっきり気持ちを込めて笑みを浮かべる私。
「彩〜ラーメン食いに行こうぜ〜」
彩君の後ろから、たぶん原作に顔の出ていないモブキャラが沸いてきた。
「あぁ、モブ・・・ま、お前はいいや。髭も行くか?」
「おう。じゃ、また明日な遥ちゃん」
ちょっと格好つけながら私にそういう順平。
「うん。また明日ね」
私はそれに笑って答え、二人に手を振って教室を出ることにした。
私は初日ということもあって、特に何かすることもなく、ゲームの中身がリアルになるとこうなるのか、なんて思いながら景色を見て寮へと帰った。
「ん?君か」
ゲームでは普通のセリフだ。
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