暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン リング・オブ・ハート
エピローグ:人は何の為に
[4/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
……霊木の隙間から覗く百メートル頭上の上層の底の空に、巨大な謎の英文がびっしりと並んでいたのだ。
 その文字は【Warning】、【System Announcement】とあった。

「ワーニング……? システムアナウンスメント……? い、いったい何が起こってるの……!?」

 しばらくしてようやく出たその問いかけに、まるで答えるようなタイミングで鐘の音が鳴りやみ、続いてソフトな女性の声が天から響き渡ってきた。

『ただいまより プレイヤーの皆様に 緊急のお知らせを行います。現在 ゲームは 強制管理モードで 稼働しております。全ての モンスターおよびアイテムスパンは 停止します。全ての NPCは 撤去されます。全プレイヤーの ヒットポイントは 最大値で固定されます』
「な――」

 このようなゲームアナウンスは、このデスゲームが始まったあの日……第一層で茅場晶彦によるチュートリアル以来だった。
 驚いているボクに、そのシステム音声は最後に結論を告げた。

『アインクラッド標準時 十一月 七日 十四時 五十五分 ゲームは クリアされました』

「―――――」

 もう「な」の言葉も出なかった。

『プレイヤーの皆様は 順次 ゲームから ログアウトされます。 その場で お待ちください。 繰り返します……』

 ……ゲームが、クリアされた?
 何を言っているかはなんとか理解した。けど、何が起こったかはまるで分からなかった。
 キリト達は今、七十五層のフロアボスを挑んでいるはずだ。頂上までまだ二十五層もあるというのに、どうして……
 そう思っていたのだが、突如――わっ、という歓声が辺りから微かに聞こえた。
 ボクの身の回りは閑静な森林に囲まれているというのに……アインクラッド中が、プレイヤー達による歓喜の嵐に巻き込まれているかのようだった。
 聞こえるのは歓声だけではない。よくよく感じれば、足元がビリビリと小さく揺れている気がする。文字通り、この浮遊城が喜びに打ち震えていた。

「ははっ、やった……。キリト達が、やったんだ……!」

 きっとそうだ。この上で何が起こったのかは分からないけれど、きっとこんな無鉄砲な出来事、キリトが起こしたに違いない……!
 やったんだ。
 キリトが……このゲームをやり遂げたんだ!!
 ボクの王子様が、ボクを救ってくれたんだ!!

 そうしてボクもこのアインクラッドを取り巻く、大いなる喜びの嵐に参加しようとしていた……

「――――熱っ!?」

 その時だった。

 ボクの両手中指から、激しい熱を感じた。
 熱源は……ボクの指輪《リング・オブ・ハート》だった。

 熱を感じたのはほんの数秒だけで、その後……

「わっ!?」

 今度は指輪に
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ