エピローグ:人は何の為に
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……霊木の隙間から覗く百メートル頭上の上層の底の空に、巨大な謎の英文がびっしりと並んでいたのだ。
その文字は【Warning】、【System Announcement】とあった。
「ワーニング……? システムアナウンスメント……? い、いったい何が起こってるの……!?」
しばらくしてようやく出たその問いかけに、まるで答えるようなタイミングで鐘の音が鳴りやみ、続いてソフトな女性の声が天から響き渡ってきた。
『ただいまより プレイヤーの皆様に 緊急のお知らせを行います。現在 ゲームは 強制管理モードで 稼働しております。全ての モンスターおよびアイテムスパンは 停止します。全ての NPCは 撤去されます。全プレイヤーの ヒットポイントは 最大値で固定されます』
「な――」
このようなゲームアナウンスは、このデスゲームが始まったあの日……第一層で茅場晶彦によるチュートリアル以来だった。
驚いているボクに、そのシステム音声は最後に結論を告げた。
『アインクラッド標準時 十一月 七日 十四時 五十五分 ゲームは クリアされました』
「―――――」
もう「な」の言葉も出なかった。
『プレイヤーの皆様は 順次 ゲームから ログアウトされます。 その場で お待ちください。 繰り返します……』
……ゲームが、クリアされた?
何を言っているかはなんとか理解した。けど、何が起こったかはまるで分からなかった。
キリト達は今、七十五層のフロアボスを挑んでいるはずだ。頂上までまだ二十五層もあるというのに、どうして……
そう思っていたのだが、突如――わっ、という歓声が辺りから微かに聞こえた。
ボクの身の回りは閑静な森林に囲まれているというのに……アインクラッド中が、プレイヤー達による歓喜の嵐に巻き込まれているかのようだった。
聞こえるのは歓声だけではない。よくよく感じれば、足元がビリビリと小さく揺れている気がする。文字通り、この浮遊城が喜びに打ち震えていた。
「ははっ、やった……。キリト達が、やったんだ……!」
きっとそうだ。この上で何が起こったのかは分からないけれど、きっとこんな無鉄砲な出来事、キリトが起こしたに違いない……!
やったんだ。
キリトが……このゲームをやり遂げたんだ!!
ボクの王子様が、ボクを救ってくれたんだ!!
そうしてボクもこのアインクラッドを取り巻く、大いなる喜びの嵐に参加しようとしていた……
「――――熱っ!?」
その時だった。
ボクの両手中指から、激しい熱を感じた。
熱源は……ボクの指輪《リング・オブ・ハート》だった。
熱を感じたのはほんの数秒だけで、その後……
「わっ!?」
今度は指輪に
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