エピローグ:人は何の為に
[2/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
を許すかどうかは話が別だ。それでも彼らが怒るというのであれば、ボクはどんな罵声も浴びよう、罵られもしよう。……そして償う。それが今のボクの全てだ。
が……彼らはあっさりとまでにボクを許した。
しかも聞けば、彼らは予めキリトによって全てを知っていたらしい。
彼らは……ボクを試していた。ボクの償いの気持ちがどれほどのものかを。
しかし、ボクにとってはそれはどちらでもよかった。許されることが嬉しかった。人々に許されるたびに……ボクは両親の『人は信じあえる』という言葉を思い出し、強く心に刻むことができたから。
……まぁ、「許してくれて、ありがとう」という言葉と共にフードを脱ぎ、クライン達にボクの素顔を見せた途端……鼻の下の伸びた顔で見つめられた時には流石に苦笑を禁じ得なかったが……。
クスリと思い出し苦笑を漏らして回想を続ける。
情報屋《鼠のアルゴ》とは……意外なことに、随分と仲良くなった。
彼女はボクに死神被害者の居場所の続報を届けるため、たびたび宿のボクの部屋に訪れてはなにかと話し合ったりした。その度にボクは彼女を冷たくあしらっていたが……彼女も彼女でボクの持つ《大鎌》の情報を駆使して危険性を広く公布し、これ以上エクストラスキル《大鎌》の習得者が現れないように尽力していると知り、次第に心を開いてみると……これがなかなか気さくなヤツだと思い始めている自分がいる。結果的には、アルゴが言い残した予言通りになったわけだ。
アルゴはボクの持つ《大鎌》の情報を高く買い、そのお金は主に死神被害者に賠償金を求められた時に充てられた。……もっとも、謝罪をコルやアイテムで払えと言ってきた人はほとんどいなかったが。
ちなみに、アルゴは今もマーブルに関する情報と、ボクが本当はどちらなのかという情報をかなりしつこく求めて来ているが、未だ教えていない。
仲良くと言えば、人間関係も少しずつだが広がりつつある。
まずはキリト達が紹介してくれたエギルという、とても大柄なプレイヤーとはウマが合った。
彼は両手斧を使う屈強な攻略組プレイヤーでありながら商人というスタンスで、同じ両手斧使いであるボクとはなにかと話が合った。商人であるからか、彼の達悦したトークスキルは極めて人見知りなボクをもあっというまに手籠めにしてしまったのだ。今ではそこに鈍器使いでスミスのリズベットも加わり、キリト達の中でも数少ない棒武器使いの三人組として、あれこれスキル構成やアイテム流通や棒武器についてなどを語り明かす仲だ。
また、マーブルの宿にもキリト達の紹介伝いで様々な人が訪れるようになった。彼らの知り合いということもあり、これがまた個性豊かなメンツなのだ。人見知りなボクとしてはとても仲良くはできないのだが、マーブルと朗らかにカウンター
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ