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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
空白期 第7話 「とある冬の少女達」
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「もう2月かぁ……」

 ケーキを食べながらしみじみと呟いたのはアリサちゃんだ。彼女の気持ちは分からなくもない。少し前に3年生に進級したと思えば、あと2ヶ月もすれば4年生に進級するのだから。
 でも冷静に振り返れば色々な出来事があったよね。
 春頃には仲良しだったなのはちゃんとアリサちゃんのケンカ。夏頃にはフェイトちゃんとのビデオレターでのやりとりがあり、その後は彼女と直接出会ったり、はやてちゃんとの出会いもあった。今ではすっかり時間さえ合えば5人で過ごすようになっている。

「そうやなぁ……みんなはもうすぐ4年生になるんか」
「え、あっ……ごめん」
「アリサちゃん、別に謝らんでええよ」
「でも……」
「でも、やない」

 優しい口調ではあったけれど、はやてちゃんの言葉にはそれ以上有無を言わせない力強さがあった。
 私の気のせいかもしれないけど、はやてちゃんは出会った頃よりも大人っぽくなったように見える。それは彼女の友達であり、私のクラスメイトである男の子が少なからず関係しているのではないだろうか。
 具体的なことは聞いてはいないが、何かしら大変なことがあったんだと思う。あちらから話してくれるまでは、こちらから聞くことはやめておいたほうがいいだろう。

「誰もが歩む道やし、学校のこととか話してくれるんは個人的に嬉しいと思っとるんよ。それに、そのうちわたしも通うことになるやろうから色々と学校のことは知っておきたいしなぁ」

 今はまだ車椅子を使っているはやてちゃんだけど、彼女から聞いた話では順調に回復に向かっているらしい。ただリハビリにはかなりの時間がかかると聞いている。
 ――リハビリって思っている以上に大変なものだって言うし、はやてちゃんも笑ってるけど頑張ってるんだろうなぁ。頑張ってね、って言いたいけど、頑張ってる人に頑張れって言うのは酷だよね。頑張り過ぎて悪化しちゃったら大変だし。

「そう……だったら色々と教えてあげようじゃない。って言いたいところだけど……最近って大した行事とかなかったのよね」
「まあそうやろな……あっ、ひとつ聞きたいんやけど」
「何?」
「ショウくんって学校ではどないなん?」

 さらりと言ったはやてちゃんに対して、アリサちゃんはどことなく呆れた表情を浮かべる。何となくその気持ちは分からなくもない。指摘すると否定するけど、彼女の話題の大半はショウくんなのだ。

「どうって……そんなのあいつに直接聞けばいいじゃない」
「それなりに聞いとるよ。でも本当のこと言うとるかどうか分からんからなぁ」
「えっと……はやてちゃんはショウくんの友達だよね?」
「そうやけど」

 苦笑いのなのはちゃんにはやてちゃんは「何当たり前のことを言うとるん?」といった顔で返事をした。
 なのはち
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