空白期 第7話 「とある冬の少女達」
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て何?」
「え……あぁフェイトは少し前まで別のところに住んでたのよね。バレンタインっていうのは、簡単に言えば女の子が好きな子にチョコをあげて告白する日よ」
アリサちゃんの説明にフェイトちゃんが小さく声を漏らして顔を真っ赤に染めた。
今のだけで赤面するなんて純情と言わざるを得ない。先ほどからかわれたときの反応からして、もしかするとショウくんを相手に妄想したのかもしれないが。
「そ、そうなんだ……」
「……ねぇフェイト、あんたやっぱり」
「べ、別にショウのことなんか考えてないよ!?」
「誰もあいつのことなんて言ってないんだけど」
アリサちゃんはとてもいじわるな笑みを浮かべており、フェイトちゃんは耳まで赤く染めて俯いてしまう。チョコをショウくんに渡すと、近い未来で私もこうなりそうで怖い。
「アリサちゃん、フェイトちゃんをいじめちゃダメだよ。今のバレンタインは昔と違って日頃お世話になってる人とかにだってあげるでしょ。ねぇはやてちゃん?」
「ここでわたしに振るんか……いや変に隠したら余計に勘ぐられそうやし言うとこう。そうやな、そういう意味でわたしも毎年ショウくんにあげとるし」
はやてちゃんの突然のカミングアウトに私達は動きを凍らせた。内容は予想外というわけでもないけど、先ほどまでの彼女を考えるとこのタイミングは予想外すぎる。
「へぇ、はやてちゃんは毎年ショウくんにあげてるんだ」
「まあなぁ。今はそうでもないけど、前までは身の回りのこと結構手伝ってもらったりしとったし。今年も渡す予定やし、何ならなのはちゃんも一緒にどう?」
「う〜ん……私、はやてちゃんみたいに上手く作れないだろうし」
「あんななのはちゃん、味なんか二の次でええんよ。こういうのは気持ちが大事なんやから。まあ市販のものでも充分といえば充分やけどな」
「……ショウくんにはお世話になったこともあるし、もっと仲良くなりたいからあげようかな。手作りかどうかは……まあ頑張ってみるということで」
思考が動き始めた頃には、いつの間にかなのはちゃんもショウくんにチョコを渡すことが決まっていた。アリサちゃんが目の前にいるのにすんなりと決められる彼女は勇者かもしれない。
……というか、仲良くなりたい宣言は不味いんじゃないかな。純粋に仲良くなりたいって意味だろうけど、バレンタインの話をしているときにそれを言ったら誤解されてもおかしくないし。
「フェイトちゃんもどう?」
「え……えっと…………うん」
フェイトちゃんはまだきちんと頭が回っていなかったのか、お世話になっている相手に渡すという話を聞いてチョコをあげてもいいと思ったのか、なのはちゃんの真っ直ぐな提案に肯定の返事をした。
3人が渡すのなら私もあげてもいいかな、と思っていると不意に
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