暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
観測者たちの宴篇
25.神意の妹
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深い闇の底へと意識が沈み込んでいく。
背中には、底がしれない深淵が広がる。上には、光の束がわずかにこちらに注いでくる。
そもそもなんでこんなことになったのだろうか。
──そうだ。
優麻を助けようとした代償で彩斗は魔力が暴発して死にかけたのだ。
本来なら吸血鬼の回復能力を持ってすれば優麻の“守護者”に貫かれた傷は完全回復とまではいかないが九割型回復しているはずだ。
だが、あいつは彩斗が従えているわけではなかった。だからそんな状態で魔力を解放した彩斗の身体への負荷がこんな状況を招いたということだろう。
『君はまだここに来るべきじゃないよ』
直接頭に流れてくるような優しいどこか懐かしさを感じさせる少女の声が響いた。
「誰だよ……あんた」
『うーん。そう聞かれると困るかもしれないな。しいていうなら亡霊かな?』
とても軽い口調で少女はわけのわからないことを言う。
私は亡霊です、といわれて、はい、そうですか、とすぐに納得できる人間などいるわけがないだろう。そういいたところだがここは魔族特区なのだ。だからあり得ない話でもないのだ。
だが、それでも彩斗は自分の意識の中に少女が取り憑いているなんて今まで知らなかった。
『君にはまだやらなきゃいけないことがあるでしょ?』
少女の声は先ほどまでの少し楽しげな声ではなく真剣な声で彩斗に問いかける。
「そうだったな」
緒河彩斗にはやるべきことがある。那月を探し出し、監獄結界の連中を捕まえ、優麻をあんな目に合わせた仙都木阿夜を一発ぶん殴らなければならないのだ。
やるべきことを再度確認し、彩斗の意識が再び構成されていく。
沈む一方だった景色が遠くわずかになっていく光に向けて浮上を始める。
『それじゃあね』
それとともに少女の声も微かなものとなっていく。
『また、思……た……てね』
最後の言葉はなんて言っているかわからなかった。
だが、それはこの事件を終わってからゆっくりと考えるとする。
今は彼女に言われた通り、自分のやるべきことをやるだけだ。
でも、一つだけわかったことがあった。表情さえも見えない少女は笑っているように感じられたのだ。
彩斗の意識は現実世界へともう一度接続されていく。
目を覚ますと彩斗は見知らぬベッドの上で横になっていた。どうやら気絶した彩斗を誰かがここまで運んでくれたようだ。
上半身を起こし、自分の身体を確認する。腕には刃物で切られたような無数の切り傷があった。それは腕だけでなく身体全体に広がっている。
だが、その傷は外部からの傷ではない。内部からの切り裂かれてできた傷のようだ。
先ほどの魔力が彩斗の身体を内部からの引き裂いた
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