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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
観測者たちの宴篇
25.神意の妹
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ジェント・ウェポン》”によって
特区警備隊
(
アイランド・ガード
)
の精神操作し、サナを殺そうとしてきた。それを阻止するべくアスタルテと唯が浅葱とサナを守るも相手は魔導犯罪者だ。
そんなに時間を稼げるわけではない。アスタルテの眷獣は長時間は長時間耐えることはできない。唯もどうやら魔力は防げても実弾などは防げないようだ。
そんな危機を救ったのは意外な人物だった。
「──ディミトリエ・ヴァトラー……“戦王領域”の貴族がどうして……!?」
ヴァトラーは、困惑する彼女に優雅に一礼して微笑んだ。
「お目にかかれて光栄だよ、ジリオラ・ギラルティ。“
混沌の皇女
(
ケイオスブライド
)
”の血に連なる氏族の姫よ」
浅葱たちを護るように、ヴァトラーがジリオラの前に歩み出た。
「“
忘却の戦王
(
ロストウォーロード
)
”の血族であるアナタが、ワタシの邪魔をするというの?」
ジリオラのその問いを持ち構えていたように、ヴァトラーが笑う。
「ここは我らが真祖の威光が及ばぬ、極東の“魔族特区”だよ。聖域条約に定められた外交使節としてこの地にいるボクが、人道的見地から、犯罪者であるキミの凶行を阻止する──なかなか良く出来た筋書きだとは思わないか?」
「ワタシたち監獄結界の脱獄囚を狩るのが、アナタの狙いだったということかしら?」
ヴァトラーは戦闘マニアだという噂で有名だ。
彼にとって、監獄結界からの脱獄囚は退屈しのぎの強敵に過ぎないのだろう。
ジリオラはうっすらと汗を浮かべつつ、右手で鞭の眷獣を荒々しく鳴らした。
「だけど、あなたにワタシの眷獣が斃せて──?」
その瞬間、彼女の支配下にあった
特区警備隊
(
アイランド・ガード
)
たちが、一斉の武器をヴァトラーへと向けた。その状況に表情一つ変えずに、右手を掲げ、軽く指を鳴らした。
「──“
娑伽羅
(
シャカラ
)
”!」
海蛇に似た眷獣が、ヴァトラーを取り巻くように実体化する。
巨大な海蛇が、自らの肉体を超高圧の水流へと変えて躊躇なく
特区警備隊
(
アイランド・ガード
)
を襲う。
アスファルトは砕け散り、武装した隊員たちは、吹き飛ばされていく。
「人間を楯にでもするつもりだったのかい? わからないな……キミに操られる程度の無力な連中の命を、どうしてボクが気にすると思ったのサ?」
ヴァトラーが退屈そうな声でジリオラに訊いた。
特区警備隊
(
アイランド・ガード
)
の主力部隊は壊滅状態。それはジリオラの軍勢が失われたことを意味している。
「もう終わりかい? 第三真祖の氏族の実力がこの程度だとしたら、期待はずれだヨ」
「……ええ、大丈夫よ。安心しなさって──あなたに落胆する余裕はあげないわ!」
菫色の髪を振り乱して、ジリオラ
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