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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
観測者たちの宴篇
25.神意の妹
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もしれません」
答えたのは雪菜だった。
「キーストーンゲート?」
「はい。南宮先生は、魔力が完全に奪われる前に空間跳躍で逃走したのですよね。だとすれば、考えられるもっとも安全な場所を逃走先に選んだはずです」
「そうか……キーストーンゲートには
特区警備隊
(
アイランド・ガード
)
の本部があるからな……」
確かにあそこなら絃神市内でもっとも安全な場所だ。
那月が逃走場所に選ぶのは、当然の判断だろう。
そしてそこで偶然にも、バイトで訪れていた浅葱に会ったということだろうか。
「ですけど、
特区警備隊
(
アイランド・ガード
)
の待機所に辿り着く直前に、南宮先生は完全に幼児化して、記憶を失ったんだと思います」
「その状態で浅葱に会ったのか……」
「おそらくその時に唯もパレードを見い来てて会ったんだろうな」
最後のゲートチェックを通過して、彩斗たちはようやく建物の外へと出る。
だが、出たものの浅葱たちの場所へといく手段がないのだ。
モノレールは停止中。道はパレードで混んでおり、先ほど乗ってきた戦車は使えない。
吸血鬼の体力なら全力疾走でも十五分くらいかかる。
眷獣を使えば、すぐに行けるがいまの彩斗にそんな魔力など残っていない。
「先輩、あれを!」
そのとき雪菜が古城の手を引いて叫んだ。彼女が指差したのは、小さなコンビニ。
「チャリか!」
雪菜の目論見を察し、古城は走り出す。コンビニの前には一台の自転車が止められている。
「持ち主にはわたしたちが謝りますから、先輩たちは行ってください! 吸血鬼の脚力なら──」
雪菜が銀色の槍を振って、自転車のチェーンロックを切断する。
そして彼女は自分の指先を小さく傷つけ、そこから流れた血を古城の口の中へと含ませた。
「あっ! あーっ!」
雪菜の指を舐める古城を睨んで、紗矢華が悲鳴を上げた。
「俺はいらねぇからな、友妃!」
自分の指を傷つけようとする友妃を制止させ、古城が跨る自転車の後ろに乗り込む。
「わたしたちもすぐに追いかけますから」
「悪い、姫柊。恩に着る!」
古城は吸血鬼の筋力にモノをいわせて思いっきりペダルを踏み込んだ。
「振り落とされるなよ、彩斗!」
後ろからの力を受けたように自転車は動き出した。
菫色の髪をした女性が真紅の鞭を握りしめたまま、目の前を睨みつけている。
彼女は、ジリオラ・ギラルティ。第三真祖の血脈に連なる“旧き世代”の吸血鬼だ。
彼女は監獄結界からの脱獄囚だ。
キリガ・ギリカをアスタルテと唯の活躍によって監獄結界へと引き戻した。
だが、その直後に彼女は現れ、“|意思を持つ武器《インテリ
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