第百九話 戦いが終わりその四
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「遅れるかも知れないけれどな」
「参加されるんですね」
「戦いが終わったしな」
中田はここで笑顔になった、自然なそれに。
「それならな」
「楽しくですね」
「ああ、俺もお祝いしたいって思ってたんだよ」
剣士の戦いが終わったことだ、中田にしてもこの神話の頃から続いていた気が遠くなる様な戦いが終わり嬉しいのだ。
それでだ、こう言うのだった。
「だからな」
「それでは」
「はい、一緒に」
「今夜な」
こうしてだった、中田もパーティーに出た。そうしてだった。
二人は中田と今は別れて校庭の門から校舎に戻った、そこでだった。
今度は豊香と会った、豊香も笑顔で二人に言ってきた。
「よかったですね」
「はい、これで」
「もうどの人も戦う必要はないですよね」
「はい、もうこれで」
豊香もこの上ない笑顔で二人に答えた。
「ありません、では今夜は」
「はい、皆さんもですね」
「是非お祝いしましょう」
パーティー、その場でだというのだ。
「そうしましょう」
「わかりました、それでは」
「皆で」
こう挨拶をしたのだった、しかし。
上城は豊香にだ、彼女のことを聞いた。ついそうせずにはいられず。
「あの、それであの方は」
「セレネー姉様ですね」
「何処に行かれたんでしょうか」
「そのことは私にも。お姉様達にも」
聡美達にもというのだ。
「わからないのです」
「そうなのですか」
「はい、ですが」
それでもというのだった、豊香は上城の言葉に暗い顔になったが明るい顔に戻ってこう答えた。
「きっとまた何時か」
「お会い出来ますね」
「必ず」
そうなると答えたのだった。
「ですからご心配なく」
「そうですか、それなら」
「はい、ただ」
「ただ?」
「お姉様は貴方達を縛り戦わせていましたが」
彼等の魂をだ、神話の頃から。
「それでもそう思って頂けますか」
「それが何か」
「有り難うございます」
心からだ、豊香は上城に礼を述べた。
「そのお姉様を気遣って頂いて」
「いえ、自然と」
「そう思われましたか」
「そう思いましたので」
「そのお心が痛み入ります」
こう答えた豊香だった、今は。
「まことに有り難うございます」
「僕の言葉は何か」
「その優しさが。戦いを終わらせてくれて」
そして、というのだった。
「お姉様にご自身の過ちを気付かせて下さったのですね」
「あっ、そういうことですか」
ここで上城もわかった、豊香が自分に何を言っているのかを。
「だから」
「はい、そうです」
「ただ、僕はそれでも」
神話からその魂を戦わさせられていた、望まぬ戦いを。
だが自然にだった、そう思ったというのだ。
「それで」
「そのお心、有り
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