第百九話 戦いが終わりその二
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「工藤君は三等海佐だ、高橋君は警視だ」
「何か嘘みたいですね」
警視になると聞いてだ、高橋は笑って言った。
「この任務について警部にしてもらって」
「そして終わって警視になることがな」
「凄いですよ、私はまだ二十代ですから」
「それだけ重要な任務だったからな、総理もな」
「昇進をですか」
「約束してくれたのだ」
「それでは」
高橋はここまで聞いて一佐の言葉に応えた。
「私は」
「間もなく警視になる」
「凄いですね、キャリア並ですね」
「君は間違いなく並のキャリア以上の働きをしてくれた」
一佐はその高橋にこうも言った。
「これも当然のことだ」
「そうなんですね」
「工藤君もだ」
彼も、というのだ。
「防大の一選抜よりも速いがな」
「それも、ですか」
「当然のことだ」
「わかりました、それでは」
「うむ、ただな」
一佐は駆動にこのことは注意した。
「階級が上がるとな」
「それだけ責任もですね」
「それがついて回るからな」
「そのことはわかっています、私も」
「幹部への処罰は厳しい」
責任があるだけにだ。
「だから色々と注意してくれ」
「わかりますた」
「とにかくだ」
今度は工藤と高橋二人への言葉だ。
「今回はご苦労だった」
「はい、有り難うございます」
「それでは」
「うむ、これからの君達だが」
その任務を終えた彼等のこれからのことも話すのだった。
「工藤君は呉に行ってだ」
「そこで、ですね」
「総監部勤務だ」
「艦艇ではなく」
「そこだ、そして高橋君はだ」
彼はというと。
「県警本部だな」
「はい、そこに戻って」
「警察官の本来の仕事に戻るな」
「そうなりますね」
「今までご苦労だった」
本当にだとだ、こう話してだった。
任務を終えた二人はそれぞれの新しい仕事に向かうことになった、二人は上城に携帯でこのことを連絡した。
その連絡を受けてだ、上城は昼休みに樹里に話した。
「それで一回ね」
「お二人と?」
「うん、会ってね」
そして、というのだ。
「一時のね」
「次に会う時までの」
「そう、お別れの挨拶をってね」
「お二人が仰ってるのね」
「そうなんだ、お二人それぞれのお仕事に戻られるそうだから」
「そういえばお二人はね」
それぞれ自衛官と警官だ、樹里もこのことを言う。
「だからなのね」
「そう、本来のお仕事に戻られるんだ」
「そうなるのね」
「本当に終わったね」
清々しい顔でだ、上城は樹里に語った。今はその話をしながら学園の中を歩いているが晴れ渡った空の下でそうした話をしているのだ。
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