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久遠の神話
第百九話 戦いが終わりその一

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                   第百九話  戦いが終わり
 戦いが終わったことは既に戦いから降りた剣士達にも伝わっていた、高橋と工藤は朝に聡美達が地連に来て口頭で言われて知った、そして。
 一佐にすぐにこのことを話した、すると。
 一佐は穏やかな顔でだ、こう二人に言った。
「そうか、遂にな」
「終わりましたね」
「剣士の戦いが」
「憂いが一つ消えた」
 一佐はこうも言った。
「日本のな」
「大国がこの戦いで我が国を脅かすことがですね」
「これで」
「大国が世界の盟主なぞ願ってなるとな」
 そのこと自体がというのだ。
「我が国は迷惑をする」
「その国のやりたい放題になりますから」
「だからですね」
「その通りだ、そんなことはな」
「断じて、ですね」
「あってはならないですね」
「そうだ、いい迷惑だ」
 こう言うのだった。
「総理もそう考えておられる」
「だから我々に」
「この任務を」
「そういうことだ、永遠の覇権なんてものはな」
 多くの国が適えられるのなら願うこのことはというと。
「他の国にとっては迷惑でしかない」
「大国の横暴が永遠にまかり通る」
「まさに災厄ですね」
「我が国にそうした野心はない」
 日本には、というのだ。
「全くな」
「はい、そうした野心はです」
 工藤も一佐に答えて言う。
「我が国にはありません」
「少なくとも現政権にはな」
「だからこそ我々が剣士になっても」
「覇権を望まずにな」
「戦いの終結を命じられたのですね」
「君達自身ではそれは出来なかったが」
 しかしとだ、一佐は微笑んで答えた。
「戦いは終わった」
「はい、これで」
「作戦は成功だ」
 結果としてだ、こう言っていいというのだ。
「無事な」
「では我々は」
「これで」
「うむ、君達は任務を果たした」
 二人にだ、一佐は微笑みのまま答えた。
「お疲れ様と言わせてもらう」
「有り難うございます」
 二人は一佐に同時に答えた。声が完全に一つになっていた。
「では後は」
「我々は」
「君達にはボーナスが出てだ」
 そして、というのだ。
「さらに昇進に約束される」
「では私は」
「工藤君は今は一等海尉だったな」
「はい」
「そして高橋君は警部だったな」
「そうです」
 二人はそれぞれ一佐の言葉に答えた。一佐はその二人の言葉を聞いてこう言った。
「ではだ」
「それでは、ですね」
「そこから」
「それぞれ一階級昇進する」
 そうなるというのだ。
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