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ファイナルファンタジーT
7話 『蝕まれる者』
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 銀髪で紫紺色のローブを身に纏った厳格な顔付きの老翁とおぼしき人物が、跪いていた赤魔道士の眼前に片手をかざすと眠りに陥るように、ふ…っと意識を再び無くしたマゥスンが後ろへ倒れ掛かったのを、ランクが慌てて支えた。


「なッ、コイツに何しやがった、テメェ…!?」

「大人しく、させたかったのだろう。────眠らせただけだ」

「なン、だと? テメェ、一体……」

「東の外れにて待つ。────クリスタルの欠片を持つ者達、独りを除いて来ると良い」

 それだけ告げると、威厳のある人物は音もなく引き返してゆく。

「ちょッ、待ちやがれ!」

「今の、人は………?」

 誰に問うでもないシファだが、それに関してはメイドのテューテが答えてくれる。

「あの方は、12賢者のお1人でもある予言者ルカーン様……。あの方が直々にこの屋敷を訪れるなんて────
町外れの東の広場は、12賢者様方の瞑想の場でもあります。……あなた方を、お呼び出しに来られたのではないでしょうか」


「独りを除いてって、やっぱりマゥスンさんの事でスか……っ?」

「ッたりめェだろ、こンな状態で連れてけってのかッ」

 苦しげな様子から、深い眠りに陥ったらしいマゥスンをベッドに戻してやりながらビルに云うランク。


「早速、ルカーン様の元に行かれてみてはどうでしょう。この方は、私が責任を持ってお世話させて頂きますので、お任せ下さい。容態が回復されるまでは、この屋敷を宿としてご利用なさって構いませんから」

「ありがとう、テューテさん……。わたし達がいない間、マゥスンの事お願いします」

 黄昏近い中、シファ、ビル、ランクの3人は町外れの東の広場へ向かう。


(ルカーンって予言者はよーやくお出ましになりやがったが、赤魔のヤツ………何で急に倒れたンだ。あの冷血動物みてェなオトコオンナが───── )
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