第五話:黒猫の日常
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「ただいま」
私の名前は黒歌、ルドガー・ウィル・クルスニクと言う普通の少年のペットだにゃ
どうしてペットになったのかというと簡単に言うとお腹が空いている時にご飯を貰ったからにゃ
ご飯位で何だと言うかも知れないがルドガーの作る料理は
そん所そこらのレストランで出される物より遥かに美味しいのだ
それを目当てに足繁く通っていたらルドガーの方から
「お前うちの子にならないか?三食昼寝付きだぞ?」
と提案を出して来たので二つ返事で了承したのだ
「にゃ〜」
お帰りなさいと気持ちを込めて鳴いてルドガーの足元にすり寄る
こうすると優しく撫でてもらえるからだ
「日本のアパートはペット禁止が多いからなぁー」
なんだかしみじみと呟きながら私を撫でてくれるルドガー、今まで逃亡生活のせいで誰かに甘える
ということが出来なかったからこうやって甘えられるのは純粋に嬉しいにゃ♪
「今日はクロの好きな魚を買ってきたぞ」
私の飼い主は猫の扱い方も私の好みも熟知しているからよく私の好きな料理を作ってくれる
「ナァ〜♪」
そのことが嬉しくて思わず鳴き声を上げてしまうのは仕方ないだろう
「はは、かわいい奴だな」
ルドガーがそんな台詞を言うので思わずドキッとしてしまう
まあ、あちらは猫に言ってるつもりなのだろうけど
最後にもう一度私を優しく撫でてキッチンに向かっていくルドガーを見ながら今晩の夕食に思いをはせる……今から待ち遠しいにゃ♪
「♪〜〜♪〜」
ルドガーの魚料理を堪能した私はお腹が膨れたのもあり
鼻歌がまるで子守唄のように聞こえてウトウトとする
聞いたこともないメロディーだけど何だかとても安心するこの歌をルドガーはよく歌っている
今では私も歌えるようになってしまったにゃ
もちろん猫の姿の時は歌わないけど禍の団(カオス・ブリゲート)の方に行った時などはたまに歌っている
「♪〜―ん、電話?こんな時間に誰だ?」
今は無理だけどいつかこんな穏やかな生活を白音と一緒に送りたいにゃ……
案外ルドガーみたいな普通の子と一緒にいたら叶うかにゃ?
「はい、もしもしルドガーです」
「久しぶりだね、ルドガー君、サーゼクスだよ」
「あ、お久しぶりです、サーゼクス様」
にゃ!?突然聞こえた普通の少年の口からは出るはずがない名前に反応して思わず飛び起きる
ルドガーがこちらを見るが何とか平常心を保ち再び寝る態勢に入り耳をピンと立てて話を聞く
今のは何にゃ?きっと聞き間違いだにゃ………きっと……
「学生生活はどうかね?楽しんでいるかね?」
「はい、おかげさまで、素晴らしい学園生活を送れています」
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