第131話 孫家の人々
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の言い方が気に入らない様子だ。
「孫家は有能な文官を輩出している名門に縁故などないんです。なら、とりあえず有能無能は別にして面談して問題無さそうな者達を文官に登用していくしかないじゃないですか」
孫権は二人の反発など気にすることなく自分の考え述べた。
「金の無駄にならないかね」
「文官ってお金の無駄な感じがするのよね」
孫堅と孫策は孫権の提案に納得できない様子だった。孫権は二人の様子に困り顔をする。
「母様、姉様。文官の手配は私に預からせていただけませんか? お二人も文官仕事で寝る暇もない生活を送りたくはないでしょ?」
「それは」
「そんなに高給は払えないよ」
孫堅は孫権に文官の手配を任せる気のようだが一言釘を指した。
「武官や武具、防具には大枚を割いている癖に何言っているんです」
孫堅の言葉に孫権は怒りの表情を浮かべた。
「そりゃあ。仕方ないだろ。賊を狩るにも戦をするにも有能な部将と備えが必要になる」
「武官だろうと文官だろうと構いません。せめて読み書きと計算のできる人材を増やしてください」
「その『読み書きと計算のできる人材』を捜すのがなかなか難しいんだよ。この時代、そんな人材は士大夫か商人しかいない。そうだ蓮華。商人を雇えばいい。横領したら首を刎ねればいいわけだし。問題ない」
「それいいんじゃない」
「商人といいますけど誰に任せるつもりなのです」
孫権は憮然とした表情で孫堅を見た。
「うちに出入りしている商人に話を持ちかけようと思う。給金を薄給にする代わりにうちの調達品の一切をその商人に任せる。蓮華、悪い話じゃないだろ」
「紅蓮母様、それ名案! これで私も楽できそう」
「母様、その商人は本当に信用できるんですか?」
「蓮華、別に全てを任すことないだろ。雑多で当たり障りのない書類仕事を任せればいい。それで随分楽になるんじゃないのかい。とはいえ蓮華の言う通り内政をある程度任せられる文官が必要なことは事実だけど。当面はこれでいいだろ」
孫権は孫堅の言葉に納得したのか沈黙した。その様子を見て孫堅は満足そうな表情になる。
「蓮華、じゃあ文官の件は任せる。でも、あまり金がかからないようにしな」
「そうね。机仕事に関しては私達より蓮華の方が優れているもの」
孫策も孫堅の言葉に同調し孫権を推した。
「もう面倒事ばかり私に押し付けて」
孫権は孫堅と孫策を見て脱力したように項垂れた。
「蓮華、思春を連れて南陽郡にでも行ってきな。あの郡は人が多いし文官候補になりそうなのが一人か二人見つかりそうだろ」
「母様、本気で言っています?」
「ああ本気だよ」
「母様が王叡、張シを殺したせいで南陽郡が荒れたようなものじゃありませんか。孫家の臣
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