第131話 孫家の人々
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山積みされた竹巻の束を見上げた。孫策はそれを見て驚いた表情をした。彼女が驚いた理由は自分が逃げた時より書類の量が増えていたからだった。
その後、二人は徹夜して書類の山と格闘した。孫堅が執務室に戻ったのは朝明けの頃だった。
「母様! どこに行っていたんです」
執務室に戻って来た孫堅に孫権は声高に問いつめた。
「痛ぅ。蓮華、そんなに怒鳴るんじゃないよ。ああ、頭がガンガンする」
孫堅は頭を抑えながら孫権に文句を言った。孫堅の様子から察するに孫策と同じく酒を飲んでいたようだ。
「紅蓮母様、私がどれだけ大変だったと思っているのよ」
孫策は不満げな表情で孫堅に文句を言った。
「雪蓮、姿眩ましてたお前が私を批判するのかい」
孫堅は孫策に非難めいた表情を向けた。
「もう二人ともしっかりしてください!」
孫堅と孫策が言い争いをしていると孫権が二人の間に割り込んだ。
「蓮華、悪い悪い。だってさ」
「だってじゃありません!」
孫権は孫堅の言葉を遮った。数刻の間、孫堅と孫策は孫権に説教を受けることになった。
「もう、これくらいでいいだろ」
孫堅は孫権に言う。孫堅の態度に孫権は嘆息する。
「母様、長沙郡大守としての仕事は日々大量にあるのですよ。一日とて休む暇がないのです」
「そんなこと言われなてくても分かっている。しかし、息抜きもなく仕事などできるはずないだろ」
「そうそう。息抜きは大事よ!」
孫堅は孫権の言葉に反発するように言った。孫策も孫堅の言葉に同調した。
「母様。じゃあ、内政を任せられる信頼できる人材を捜して任官してください」
「蓮華、そんな奴がそこいらにほいほいといるわけないだろ」
「できないなら母様と雪蓮姉様に頑張ってもらうしかありませんね」
孫権の言葉に孫堅と孫策は押し黙った。
「蓮華、そうはいうけど有能な文官を捜すのはなかなか難しいんだよ。武官と違って手合わせすればわかるというものでもないしね」
孫堅は孫権の言葉に抗弁する。彼女は武闘派で文官仕事は苦手なため、蓮華の言う通りに文官仕事に謀殺されることは苦痛の何物でもないのだろう。かく言う孫策も孫堅と同じく武闘派なため、沈黙しているものの孫権の話を聞いてからあからさまに嫌そうな表情をしている。
「そうよね〜。文官なんて能力わかりづらいじゃない。名士と呼ばれている連中でも有能じゃないくせに態度ばかり偉そうな奴が多いし」
孫策は孫権の話に抗議した。
「母様と姉様がそんなんだから優秀な文官が任官を求めてこないんですよ」
「蓮華、何よ。私達のせいだって言うの?」
「蓮華、聞き捨て成らないね」
孫権の言葉に孫策と孫堅が反発した。二人とも孫権
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