第131話 孫家の人々
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権は孫策の意思などお構い無しに連れて行こうと引きずる。
「ちょっと! 韓当、何とか言いなさい」
「伯符様、ありがとうございました。今後ともごひいきに。仲謀様もご苦労様です」
韓当は孫策と孫権に営業スマイルで送りだした。
「薄情者??????!」
孫権に引きずられる孫策は韓当を睨み喚き散らかす。しかし、孫権はそんなことお構い無しに引きずって行った。その様子を韓当は見えなくなるまで見送っていた。
「ふう。伯符様は毎度のことだが酒癖が悪いな」
韓当は溜息をつくと店内を見渡す。他の客は毎度の事と慣れているのか特に気にした様子もなく、食事をしたり酒を飲んだり各々の時間を過ごしていた。
「あなた。お水をどうぞ」
韓当の妻は先ほどまで韓当が座っていた席に水の入った湯呑みを置いた。
「香、ありがとう」
韓当は彼の妻・香に礼を言い、立ったまま湯呑みを手に取り水を飲んだ。
孫権は孫策を引きずり城に戻ると大守の執務室に向った。
「蓮華、ちょっと放しなさいよ」
孫策は孫権に愚痴を言うと孫権は孫策に冷たい視線を向けた。
「逃げないと約束できます?」
「するわよ。私が約束破ったことある?」
「数えきれない位あります」
孫権の表情は凍てつくような表情に変わる。孫策は孫権の態度に冷や汗をかいた。
「蓮華、逃げないから放してよ。心入れ替えて頑張るから」
「はぁ。その言葉何度聞いたことか。わかりました」
孫権は溜息をつきながら孫策を解放した。孫策は孫権から解放されると背伸びをし体を解すような動きをした。
「雪蓮姉様、行きますよ」
「わかったわよ。そんなに怖い顔ばかりしていると結婚できないわよ」
「大きなお世話です! だいたいこんな顔をさせている原因は誰ですか?」
孫権が孫策を強く睨むと孫策は目を泳がせ、大守の執務室に足早に向おうとした。その様子を見て、孫権も孫策の後を追うように歩き出した。
「母様、今戻りました」
孫策が執務室の扉を勢いよく開き中に入っていく。その後を孫権が続く。二人は執務室に入るなり部屋の中を隈無く見渡した。
「いないわ。もうっ!」
第一声は孫権だった。彼女は肩をわななかせながら叫ぶ。孫策は手持ち無沙汰げに部屋の中をチラチラと見ている。
「蓮華、母様いないわね。仕方ないし二人でやるしかないんじゃない」
「雪蓮姉様」
「そんな顔しないの。私が言えた義理じゃないけど、一緒に頑張ろ! 母様もそのうち帰ってくるでしょ」
孫策は孫権を駆け寄ってきて慰めるように言った。
「そうですね。とりあえず今日中にここにある書類を全部処理しないと」
孫権はそう言い大守の机に
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