第一章
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って来て。それでプラシドに触りながら牧場の人達に対して言うのでした。
「いやあ、いい牛ですね」
「こんな立派な牛は見たことがないですよ」
「そうですか」
「はい」
こう牧場の人達に答えるのでした。満面の笑顔で。
「身体は大きいし筋肉は見事だし」
「しかも骨もしっかりしていますね」
「こんな凄い牛は本当にはじめてですよ」
「それじゃあこれでいいですね」
「ええ、是非御願いします」
その見たこともない人達は明るい顔で牧場の人達に答えました。
「この牛、売って下さい」
「どうか」
「わかりました。それじゃあ」
「プラシドを闘牛に使って下さい」
こうしてプラシドは闘牛になることが決まりました。けれどこの時も彼は人間達の話を聞かずずっとお花を見続けていました。今度はその見知らぬ人達のうちの一人が胸にさしているその花を見ています。その黄色くて大きなとても目立つお花をです。
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