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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第八十八話 覚悟と選択する道 後編
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知ってしまった。

 あのメンバーが揃い、奇跡にも近い確率で成功したが、もし一人でも欠けていたら
 そう考えると即座に否定できない。

 なのはもそれをわかっているからこそ、答えは出せていない。

 だがこれは士郎を受け入れるという問題である。
 言う権利がないと答えが出ている時点で、迷いではない。

「なのはは士郎と一緒にいたい?」
「うん」

 一切の迷い無くユーノの問いに頷くなのは。
 これに首を傾げるのはユーノである。

 なのはは士郎のことで答えが出てしまっている。
 吸血鬼のことも、元の世界で人を殺めたことも受け入れて、士郎の傍にいたいとはっきりとしており、話を聞く前から思いが揺らいでいるわけではない。

「士郎が元いた世界と同じことをこちらでもしてしまうと危惧はしてる?」
「うん、正直に言えば。
 だけど、今は守ってもらってばかりだけど、もっと強くなって士郎君が一人で悩んで突き進んで同じことを繰り返すことはさせないよ。
 絶対に」

 そこまでなのはが士郎の傍にいることを選んでいるとは思わず目を丸くするユーノだが、真っ直ぐでなのはらしいとすぐに納得する。

(士郎の過去のことも、これからのことも明確に答えが出てる
 他の皆も士郎を拒絶するとは正直思えない。
 一番の不安は管理局、クロノ達だけど士郎と手を切って自由に動くほうがリスクがあるのはわかるはず。
 今の形でそのまま落ち着くはずだけど……)

 ここに来て、なのはの迷い、いや正しくは不安をユーノは思い当たった。

 もし誰かが士郎の事を拒絶したら、士郎はどうするのだろう?
 拒絶した事を受けいれて今まで通り過ごす?

 士郎がそんな性格ではないことは、なのはもユーノも知っている。
 つまり

「誰かが士郎を拒絶したとき、誰にも告げずに消える心配をしてる?」

 静かに頷くなのは。

 ようやくユーノはなのはの不安を理解した。
 初めに不安を口にしなかったのはうまく言葉にできなかったわけではない。

 単純に相談に来たものの、ユーノが士郎を拒絶するつもりだったらと考えてしまい、言葉に詰まっていただけだったのだ。

「僕は士郎を拒絶するつもりは無いよ。
 確かに士郎が元の世界でやってきたことも、少数を切り捨てるというやり方も理解できない。
 でも士郎の強さも優しさも知ってるから、友人としてこのまま付き合っていければと思ってる」

 それを理解し、ユーノはなのはに士郎を拒絶する意思がないことを静かに告げる。
 その言葉を受け入れて

「士郎君がいなくなっちゃうと思うと、とても苦しいの」

 静かにその胸の内を零した。

「フェイトちゃんも、はやてちゃんも、ヴィータちゃん達も、リン
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