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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第八十八話 覚悟と選択する道 後編
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私も諦めたくはないよ。だけど」
「フェイト、確かに士郎は強いよ。
 私とフェイトでも対等にはなれないかもしれない。
 だから皆でやろうよ」

 アルフの言葉にフェイトが目を丸くする。

「なのはやはやて、プレシア、それでも足りないならシグナム達やリンディ提督達も皆でさ。
 あんな危なっかしい奴を皆だって一人にしたら危ないことはわかってるよ。
 だから皆で士郎と並んで行けばいいじゃないか」

 アルフの言葉に目を丸くして固まっていたフェイトだが、納得したように笑顔で頷く。

「そうだね。
 皆で士郎の傍にいればいいよね。
 守られるだけでじゃなくて、守れるように」

(きっとなのは達も士郎を拒絶したりしない。
 もしかしたら母さん達は士郎の傍にいるのが危ないというかもしれないけど、わがままを言わせてもらおう)

 覚悟が決まったフェイトの表情から迷いや怯えは消え、静かだが明確な意思と

「今はまだ一人じゃ無理だけど、きっと横に並んでみせるから」

 未来を見据えた覚悟が瞳に輝いていた。



 ある部屋をノックする音がする。

「はい、どうぞ」
「ユーノ君、夜遅くにごめんね」
「ううん、僕も眠れなかったから」

 なのはを部屋に通すユーノ。

「適当に座って」

 なのはを部屋にある椅子に座らせて、向かい合うようにユーノ自身もベットに腰掛ける。

「えっと、ちょっと相談にのってほしくて」
「うん、士郎のことだよね」

 ユーノの言葉に頷きを返すなのは。

 ユーノ個人の胸の内で言えば、士郎のことを相談されるのは心苦しいものがある。
 だが、同時になのはの思いを知っている故に、感情をコントロールしてみせる。

 しかし、なのはは何も口にしない。
 正しくはうまく言葉に出来ていないだけかと考えて、なのはの迷いがどこにあるか見極めるためにユーノから問いかける。

「なのはが迷っているのは士郎の吸血鬼ということ?
 それとも人を……元いた世界で行ってきたこと?」
「ううん、驚いたけど士郎君は士郎君だもん
 元いた世界の事だって正しいのか間違ってるのかなんて、私が言う権利は無いと思うから」

 ユーノはなのはの言葉を聞きながら思考を奔らせる。

(吸血鬼だとしても士郎の個人として受け入れているから気にしていない。
 元いた世界の事も簡単に答えが出せるような問いじゃないということも説明が出来なくても理解してる)

 ユーノ自身もそうだが、より多く救うために少数を切り捨てる。

 つまりは人を数だけで考えるということ。

 正直、破綻した思考だとは思っている。
 だが一人を犠牲にして一つの街を、世界を救うという行為を闇の書事件という形で目にし、
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