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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第八十八話 覚悟と選択する道 後編
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 確かに九歳の子供が積む事が出来る全ての時間を用いても足りないだろうとリンディとレティが頷く。

「明らかに年齢と経験量が一致しないわね。
 考えられるとするなら、身体的成長が止まっているか、若返ったといったところかしら」
「恐らくはですが。
 士郎の過去の話で年齢のことまで意識がいきませんでしたが、明日の朝にでも確認したほうがいいと思います」

 クロノの言葉に頷き

「では士郎君の年齢については明朝確認するとして、今後の管理局の方針としては協力体制を続けていくということでいきましょう」

 リンディのまとめで管理局の方針も決まった。

「でもよかったじゃない。
 実年齢が九歳じゃないなら犯罪じゃないから友人としても安心だわ」
「レティ!?」

 もっともこれでお開きではなく、しばしの間今までの重い空気を吹き飛ばすような話が続いて、三人の睡眠不足に繋がるのだがそれは別の話である。



 そして、とある一室。
 夜という闇に包まれた部屋の中で明かりも点けずに窓から外を眺める者がいた。

 その者の瞳が見つめるのは士郎が篭っている鍛冶場。
 ただ静かにどこか悲しげに見つめ続ける。

 その者の傍に静かに歩み寄る影が一つ。

「フェイト、そろそろ休みなよ。
 明日がきつくなるよ」
「……うん、もう少しだけ」

 もう何度か繰り返されたやり取り。
 何度目かの同じ返答にアルフはため息を吐き、覚悟を決めて主であるフェイトに本当の問いを投げかけた。

「フェイトは……これから士郎とどうするつもりなんだい?
 士郎が皆の意思を決めるために話したのはわかってるんだろ」

 今夜の話は士郎とこれから共に歩むためにこれまで隠していたことを打ち明ける。
 これが表向きではあるが、もう一つ役割がある。

 士郎の過去、死徒という人から外れたという真実を知った上で今までと同じ関係を維持するのかそれぞれの意思を確認する場である。

 そのために話が終わった後、早々の解散し、考える時間を持てるように部屋も用意している。

 アルフの問いかけにゆっくりとフェイトが振り返る。
 その瞳は迷いに揺れていた。

「正直に言うとね。
 すごく迷ってるんだ」

 プレシアから拒絶されていたときよりも弱々しいフェイトの様子にアルフは息を呑むと共に首を傾げる。

 フェイトが士郎に向ける好意は当然のことだがアルフは知っている。

「迷ってるって士郎が人を殺したことかい?
 それとも吸血鬼だってこと?」

 さらにフェイトの好意は強く真っ直ぐで揺らぐどころか、海鳴に引っ越して学校に通い始めてより強くなっている。
 確かに士郎が人を殺していることや吸血鬼というのはショックだったか
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