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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第八十八話 覚悟と選択する道 後編
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。
「確かに士郎相手のゲリラ戦は遠慮したいですね。
今後戦いになることを想定し、反管理局勢力と手を組むことを防止する意味でも協力体制を築いて近くで監視できたほうがやはり安全だとは思いますが。
それで母さんの本音としてはどうなんですか?」
クロノが管理局の立場ではなく、家族として共に戦った友人をどうしたいのか問いかけた。
「そうね。局員としては一旦置いておいて意見が聞きたいわね」
クロノ言葉に同意するようにレティもリンディに視線を向ける。
二人の探るような視線にリンディが一瞬怯むも
「そういう二人はどうなのよ」
誤魔化すように二人に質問で返す。
「そうね。
彼は色々と複雑みたいだけど、あれほど優秀な人材が入ってくれるなら賛成よ。
まあ、心配だからというのもあるけどね」
「僕も似たようなものです。
魔術を別にしても戦闘での判断能力や経験はもちろん、教官としても優秀のようですから。
友人としては自分の命を勘定に入れていないのが危なっかしいですが」
あっさりと、さも当然のように返された言葉にリンディがわずかに固まる。
(なんで個人としての意見を聞かれて戸惑ったのかしら……
レティやクロノのようにただ自然に返せばいいのよ)
自分の感情に首をかしげながら納得する。
いや、この場合は感情を誤魔化して納得させた、の方が正しいのだろうが。
「それでどうなの?」
「どうって、私も二人とそんなに変わらないわよ。
魔術という規格外の能力、高い戦闘経験と能力、執事の経験の家事能力も高いし、正直来てくれるいうなら助かるわ。
でも自己犠牲というか、一番最初に自分の命を差し出すようなところがあるし、誰かが傍にいて支えてあげる必要があると思うの。
それなのに他の人、特に女性には優しくて気が利くのに、鈍感だし……」
ここにきてリンディ自身、自分が何を言っているのか理解したらしく、ゆっくりと声が小さくなっていく。
レティはそんなリンディをとても楽しそうに見ており、クロノはというとため息を吐きつつ、どこか遠い目をしている。
先ほどとは違う意味で沈黙が支配する。
「……えっと」
「母さんの意見はわかりました。
色々と複雑ですが、それは一旦置いておいてやはり妙です」
クロノの言葉にレティの顔が仕事の顔に戻り、リンディも大きく息を吐き出して表情を引き締める。
「クロノ君、妙ってどういうこと?」
「士郎の経験の量です。
魔術は鍛錬にどれぐらいかかるか基準がわからないのでなんともいえません。
ですが、戦闘経験、銃器の取り扱い、近接戦闘術、交渉術、執事の家事能力。
どれをとっても数年の経験で到達できないレベルです」
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