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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第八八幕 「雛鳥・前編」
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改めて訓練に戻るよう促す。
「さあ、余裕があるとは言っても時間は定められている。有効に使わないか?」
「そ、そうですね!では改めて―――って、あれ?」
「ん?・・・んん!?」
アリーナのピットに見慣れないISが歩いている。そのISは訓練機と外見が一致しない事から専用機であることは直ぐに分かったが、ラウラはすぐにそのISの名前に思い至った。
「あれは、モナルカではないか。ということはベルーナ!?何故一人でピットをうろついているのだ!」
彼の事をほぼ知らない祭典ではあるが、ラウラの発言から漸くあのISの正体を察する。あれが噂に聞くイタリアの男性操縦者専用ISなのか、と。しかし、祭典は直ぐに不審に思った。なんだかISの歩行がちょっとぎくしゃくしているというか、おぼつかない。ISの訓練では普通ピットから飛んで地表に降りるものだが、そのISはピットのヘリ辺りをふらふらと歩いていて、とてもではないが危なっかしくて見ていられない。
「ま、まずい!あいつは付添いなしでISを動かしてはいけない規則になっているんだぞ!?まだ飛行訓練すら始めていないのに、下手をすれば落ちる!」
「え・・・えええええええええ!?」
「あ、ちょっと足をもつれさせている!?い、いかん!急いでピットの下で待機するぞ!落ちた衝撃で骨でも折れたら事だ!!」
「ちょ、ISの保護ありでもそんな心配するなんてどんだけ身体弱いんですか!?」
そんだけ身体弱いんです。ラウラの顔は真剣そのものであり、即座に瞬時加速を用いて駆けだした辺りに本気加減が伺える。イタリアの候補生はどれだけ軟弱なんだ、と戸惑いながらもラウラを追いかける祭典だった。
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