第185話 針と糸があれば―――!
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う言いながらセインを見つめた。
腕組をしているセインの黒縁の眼鏡越しから見える緑色の瞳に映っているのは、姿を消しているシプの姿。当然姿を消している為、シプの姿は一切見えないのだが、セインはまるでシプの姿を追っているかのように、緑色の瞳をキョロキョロ動かしている。
シ「ていっ!」
チ「うぁあっ!」
シ「やーーーっ!」
シェ「イギィィッ!」
シプが連続でチルチルとシェナに蹴りや拳を食らわせ、それと共にチルチルとシェナの体に傷が増えていく。
シェ「(ま・・不味い、わね・・・このままじゃ、私もチルチルも・・・何も、出来ないまま、シプだけに、やられちゃう!)」
シェナは顔の前で腕を交差して防御しながら頭の中で思考を回転させる。
シェ「(でも、姿は見えなくても、気配は感じる・・・!こういう時って・・確かウララ曰く、目で追ったらダメなのよね。)」
シェナはゆっくりと目を閉じる。
シェ「(音・・・動き・・・集中・・・集中・・・・・!)」
閉じた目をカッ!見開いた。
シェ「見切ったぁっ!」
シェナが叫んだのと同時に、シェナの長い金髪が雷を帯びて、ある1点目指して伸びてゆく。
シ「へっ?」
シェナの金髪が伸びる先でシプの小さな声が聞こえた。シェナの攻撃がシプに当たると、誰もが思ったその時―――、
セ「無杖!」
シプと金髪の間にセインが滑り込んで来て、無杖を振るとシェナの金髪が力なくパサッと地面に落ちた。
セ「俺がいる事を忘れるなよ?」
シェ「別に忘れてた訳じゃないわ。」
チ「僕は忘れてた。」
チルチルは完全にセインの存在を忘れていたようである。
透明魔法を解除したシプがセインの背後からひょこっと顔を出す。
シ「お姉さん、私の姿、見えた?」
シェ「見えてないわ。」
シ「じゃあ、どうして分かったの?」
シプが首をこてっと傾げる。シェナは小さく微笑むと、右手の人差し指だけを立て口元に当てると、
シェ「女の鋭い勘よ。」
シ「?」
言い終わったのと同時にウィンクをする。が、まだ9歳の幼い少女にはシェナの言ってる意味が分からなかった。
シェ「さぁチルチル、反撃開始よっ!」
チ「うん。」
シェナとチルチルが小さく地を蹴り駆け出した。
シェ「髪しぐれ、鬼腕!」
シェナの金髪が雷を帯び、頭に2本の角がある鬼の姿になった。
シェリ「“髪の毛”が鬼になった!」
ユウ「“髪”が。」
トビ「“髪”が・・・!」
ジュ「やかましい。」
蛇姫の鱗の魔道士、シェリア、ユウカ、トビー
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