第185話 針と糸があれば―――!
[1/9]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
ガ「おい・・全然見つからねーじゃねーかよっ!」
ジュ「ひぃ!」
ガジルが噛みつきそうな勢いで傍にいたジュビアに怒鳴りつける。ジュビアは小さく悲鳴を上げ、思わず首を竦めて両手で両耳を塞いだ。
霧で辺りを覆い尽くされた崖の頂上。ここにマスター・マカロフに他言禁止の『謎の仕事』を頼まれたガジル、リリー、ミラ、ジュビア、ラクサス、カナの5人と1匹はいた。
仕事の内容はこの霧で覆い尽くされた崖の頂上にある、闇ギルド最大勢力ビゲスト同盟の1角、西の真空のギルドを見つける事なのだが・・・ガジルがさっき怒鳴ったとおり、全然見つからないのだ。
リ「こんな狭苦しい場所に建つギルドだから、簡単に見つけられると思ったが・・・」
カ「そう甘くなかったね、こりゃ。」
リリーが腕組をして小さく呟き、カナが「あちゃ〜」とでも言いたげな顔をして額に手を当てた。
ラ「それに、更に謎が増えた。」
ラクサスが自分の左手を睨み付ける。ラクサスの左手には白い包帯が巻かれていた。
ミ「霧に包まれた崖と滝、滝の水から感じる謎の魔力、見つけられない闇ギルド・・・」
ミラが顎に手を当てて考えるように呟く。
ジュ「もしかして、別の場所にギルドを移転したとか?」
ガ「でも、マスターが「ここにある」って言ったんだろ?」
ラ「じぃじの奴、評議院の奴等にも聞き込みしてたぞ。」
カ「マスターが得た情報が間違ってるとは思えないけどね。」
情報は正確。
この崖のどこかに、西の真空のギルドがあるはずなのは確かなのだ。
でも、いったいどこに―――――?
リ「とにかく、捜索の範囲を広げて、引き続き捜索を続けよう。」
ミ「そうね。それに、見つけられなかった時はこの瞬間移動魔水晶を置いていけばいいんだし。」
そう言いながらミラが取り出したのは、正八面体の形をした薄紫色の魔水晶だった。
カ「ほんとっ、最近の魔水晶は便利なものばっかだねぇ。」
カナがミラの手の中にある魔水晶を覗き込みながら言った。
ガ「つーかよぉ、もし西の真空のギルドを見つけられなかったら、ここまで来て俺達は魔水晶1個置いてきた事だけになるのかよ。」
ジュ「それがどうかしたの?」
ジュビアが問うと、ガジルの額に怒りマークが浮かび上がった。
ガ「冗談じゃねぇっ!何で俺が火竜達の為にこんな所まで来て魔水晶を1個置くだけしか出来ねぇんだよっ!?」
ジュ「ひぃ!」
ガジルがまた噛み付きそうな勢いでジュビアに怒鳴りつけ、ジュビアもまた小さな
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ