第一部 学園都市篇
断章 アカシャ年代記《Akashick-record》
??.----・error:『Nyarlathotep』
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して。揃って――――
「「一人だから、寂しいもの」」
己の傍らに立っている筈のもう一人を知らぬかのように。『寂しい』と、まるで――――窮極の宇宙の中心で、混沌と退屈に悶えるように。劫初の地球の中心で、泥濘と耐えず蠢くように。
重ねていた、常に触れ合おうとしていた右手を離した。だから――――
「ああ――――また、来るよ。今度こそ、楽しい『物語』を持って来る」
半ば、意地で。黒に染まる意識に、大好きな群青菫を思い描いて。
「だから――――」
閉ざされる。あの戸口は、もう開かない。その時までは、絶対に。
笑っている。声もなく、姿もなく。音もなく、光もなく、混沌のただ中で。もう、届く筈もない。もう、もう――――
「だから、俺は――――」
右手。人のままの。温もりと冷たさ、その二つが残った右手を――――
『今晩は、我が聖餐よ』
掴み、掠れた声で呼び、目の前で狂い笑う黒い道化師。闇に彷徨う深紅の三つ目、蝙蝠の如き翅の造化の神々。
それに付き従い、愚者を嘲るように呪われたフルートをか細く鳴らし、くぐもった太鼓を下劣に連打して躍り狂う蕃神達より――――…………
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