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道を外した陰陽師
第三十二話
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 続いて言われた部屋番号は、ついこの間まで俺が暮らしていた部屋だった。

「・・・・・・」
「どうしたのよ、黙っちゃって」
「・・・いや、面白い偶然もあるもんだなぁ、って・・・俺が今住んでるとこ、そのすぐ隣」
「・・・あの、なんだかよく分からない土地の?外からいっくら見ても家が視えない?」
「そう、それ」

 あの土地は元が呪われた土地なだけあって、中々に面白い。
 一つ目に、空間がゆがんでいるせいで外から見ても中が見えないのだ。まあ、色々と隠さないといけない立場としては助かるものだ。
 二つ目に、空間がゆがんでいるせいでかなり広い。光也に頼んで家を建てさせたら悪ふざけをして豪邸が建ってしまい、それでも土地が有り余っているくらいには。
 で、最後の三つ目に・・・この中にある物は、全て穂積のコントロール下にある。
 格上にあたる俺や殺女には何もできないようだが、それ以外のもの・・・家具だろうが鳥だろうが虫だろうが、何でも自由にできるんだそうだ。
 だからまあ、侵入者の呼吸を封じて殺すことも出来るそうで、色々と助かるんだけど・・・なんだか、色々と物騒な家になったなぁ・・・

「・・・また変な家に住んでるわね」
「自覚はある。けど、結構住み心地はいいぞ」
「ゴメン、信憑性が欠片もない。霊とかでそう」
「だろうなぁ。ってか、普通に出るんだけど・・・なら、ちょっと寄ってくか?」
「・・・そうするわ」

 よし、家もすぐ隣だし問題ないだろ。



  ========



「中に入ると、これは予想以上ね・・・」
「だろ?なかなか楽しい家だ」

 そう言いながら、カズは扉を開く。すると・・・

「あ、カズ君おかえりー!」

 そこには、席組み第九席の土御門さんがいた。
 目をこすって再び見ると、そこにはやっぱり土御門さんがいた。

「ああ、ただいま。帰ってくるのを禁止されてたせいでこんな時間になった。そろそろ理由を話してもらっても?」
「まあまあ、それはパーティールームに入ってから・・・」
「待て、なんだその部屋は」
「コウコウに聞いたらあるって・・・って、そちらの方は?」

 と、そこでようやくあたしのことを認識されたみたいだけど・・・ダメだ、何もしゃべれない。
 と、それを知ってか知らずか、カズが言ってくれた。

「ああ、こちら同じクラスで、俺の幼馴染の伊達凉嵐」
「へえ・・・あ、確かカズ君の自己紹介の時の」
「そうそう」

 あたしの知らないところで、あたしのことを紹介された。
 それも、席組み第九席に・・・これ、どういう状況?

「ふ〜ん・・・凉嵐、か・・・なんて呼ぼう?ねえ、何て呼んでほしい?」
「え、えっと・・・」
「あ、俺はラッちゃんって
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