3話:とある独逸の破壊衝動
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「ほわああああアアアアアアアアァァァあ!!!!」
訳:何でこんな事になったんだあああああ。
絶叫しながら走る少年。かなりの肺活量を必要とするその行為は見た目小太り気味でメガネの少年には似つかわしくないものだった。
彼の名はキーボードクラッシャー。
一時期ある業界で大ブームとなり、今もニコニコ動画やYoutubeで割と活躍している。様々な設定をたくさんのうp主に付加されてきた影響でこの世界の彼は身体能力が人間離れしていたり人外じみた謎の力らしきものを使えたりもする。
だが、どれだけたくさんの設定を付けられても必ず共通していることがあった。
それは、ピンチになるとありえないほど取り乱し腹筋を崩壊させる空耳で絶叫する、という事。
今のキボクラ少年もいきなり殺し合いしろとか言われてあっさり取り乱して走り回っている状況であり、もちろん自殺行為である。
運が良かったのは、まだ殺し合いが始まってからさほど時間が経っておらず乗るか乗らないかの整理がついていない者が多かったこと。彼が物凄いスピードで走っていたので狙いを定めづらかったこと。そして意外とすぐに冷静になった事。
「おちつけ・・・。倍数を数えろ・・・」
十、十九、三十一、二十九・・・と何の倍数なのかはわからないが数えて精神を落ち着かせるクラッシャー。落ち着いた心で冷静に考えると、するべき事がわかってきた。
まずは身を隠すことだ。考えたクラッシャーは近くにあったJoseph'sという看板を掲げたファミレスに入った。
(いやおかしいだろ待て何で殺し合い会場にファミレスが!?)
中には誰もいない。少なくともクラッシャーはこの時そう思い、近くにあったテーブルに腰掛け・・・ずにしゃがんでテーブルの下に身を隠した。窓から見ると席が壁になって見えない。
とりあえず支給品を確認することにしたKBC。上に重なっていた食料をどけると、銃が出てきた。
「おお・・・」
少し安心感がある。彼はアンリアルトーナメントというFPSをよくプレイしているだけあって、リアルの銃の扱いも調べて知識として知っている。よく見ると説明書きがついていたので読んでみる。
銃の種類は書いていないが安全装置の外し方は書いてあった。他には・・・
(ニシゾノ、何て読むんだ・・・?)
キボクラは日本語には堪能な方だが、流石に西園弖虎というほぼDQNネームのような人名を読むことは出来なかった。とにかくその銃は西園弖虎という人物の物だということはわかった。
次に取り出したのはヌンチャク。どうやら支給武器は一つじゃないらしい。もしやまだあるのではとクラッシャーは少し期待したクラッシャーはさらにゴソゴソとデイパックを探る。
「なんだこりゃ?」
出てきたのは黒いベルト、いやそれにしては長いし
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