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暇にかまけて
第四章
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第四章

「けれど今はな」
「全然しないの」
「ああ、全くな」
 その通りだというのであった。
「しなくなったな。高校に入ってからな」
「その時からなの」
「色々と忙しくなってな」
 この辺りの事情は妻と同じである。音楽大学に行く為に勉強とレッスンに明け暮れてである。芸術漬けの高校生活であったのだ。
「それでな」
「それでなの」
「そうだったからな。悪いが俺もゲームのことはわからないな」
「そうなの」
「まあそっちは自分で楽しんでくれ」
 こう言うことしかできなかった。
「悪いけれどな」
「わかったわ。それじゃあね」
 夫の言葉に頷くだけだった。
「明日もやっていくわ」
「そうしたらいい」
 夫はまた彼に言った。
「時間はたっぷりあるからな。楽しんでくれ」
「ええ、そうするわ」
 そう話をして夜を過ごした。そして次の日朝夫を送り出すと昼までゲームと格闘して昼食を食べると夕食を買いに行くまでゲームである。そんな毎日になっていた。
 一日が過ぎるのが異常に早くなっていた。、まさに瞬く間にである。
 光陰矢の如し、まさにそうした生活であった。そして夜夫に対していつも言うのだった。
「それで今日はね」
「今日は?」
「何かわかってきたわよ」
 夕食を食べながらにこりと笑って夫に話すのである。
「ゲームのことがね」
「そうか。やっとか」
「少しだけれどね」
 こう前置きをしての言葉である。
「わかってきたわ。もっとやっていくわ」
「で、明日もやるんだな」
「勿論よ。家事はちゃんとやってるから心配しないでね」
「ああ、それは頼むな」
 それはというのである。
「ちゃんとしてくれないと困るからな」
「わかってるわ。それはちゃんとしてるわ」
 実際に炊事洗濯も忘れないし掃除もしている。こうしたことは忘れていない彼女だった。破滅型でも自堕落でもないのが彼女の性格である。
「それはね」
「だったらいいさ。じゃあ明日もな」
「ええ」
「頑張れよ」
 微笑んで妻に告げる航平だった。
「それじゃあな」
「そうさせてもらうわ」
 こうして彼女は次の日もゲームをしていた。本を見て攻略を続けているがやがて。本だけの情報では飽き足らなくなってきたのである。
 そうしてだった。パソコンのサイトを開いてだ。ゲームの攻略サイトを調べるようになった。
「へえ、そうだったの」
 そこに書いてあることはかなり細かかった。攻略本よりもだ。
 それを見ながらさらに勉強していく。メモに書いたりしてそれを見ながらまたゲームに向かう。ゲームの腕もそれによってさらに上達していく。
 何時しか彼女はゲームマニアになっていた。一年も経たないうちにもうゲーム雑誌にサイトを開いて流行のゲームを探してはそれを買って
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